ちょっと足踏みの今日の仕事

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    昨日今日と、日中も蝉が鳴いている。

     

    暑すぎると鳴かへんから、少し気温が下がったってこと。

    早朝の大合唱も、少しボリュームが下がってきたように感じる。

    夜には蝉と一緒に秋の虫も鳴き出した。少しずつ、季節は進んでいるんやなぁ。

     

    それでも日中出かけるのはまだまだ勇気がいる暑さ。

    クーラーのない仕事場は危険やけど、「通勤なくて良かった」と思いながら仕事をしている。

     

    クールタイプのシャンプーとトリートメント。ボディシャンプーもひんやりする物を購入して。

     

    いろいろ対策を考えながら、なんとかここまで乗り切ってきた。

    今年は9月に個展があるから、夏バテしている場合やないし。

     

     

    今、注文のコーギー犬を彫っていて、

    「後ろから見たらめっちゃコーギーなんやけど前から見たらコーギーやない(泣)」

    というので実物を見に行きたいんやけれど・・

    もう少し夕方になって涼しくなってから!と思いながらブログを書いている。

     

    画像検索でいっぱい写真は出てくるけれど、

    それではつかみきれへんものがある。

    ちょっと遠いけどペットショップまで行ってみようか、

    川沿いの道でお散歩中のコを探してみようか?

     

    きちんと納得出来るものに仕上げるために、

    楽しみに待っててくれてはる人に喜んでもらうために。

     

    出かけた先で、会えますように!!

     

     

     

     

     


    彫っている手を見て思うことと、彫っている手を止めて思うこと

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      彫っている手を止めて、自分の掌を眺めることが時々ある。

       

      私の掌は、父の掌と同じ大きさ。

      自分の掌を見て、父の掌を思い出す。

      昔、合わせた掌は同じ大きさで、指の太さは父の方が1、5倍ほど太かった。

      「うわぁ!大きさ一緒やなぁ!」

      そう言って2人で笑い合ったなぁ。

      どれくらい近づいているんやろう?比べたくても、もう合わせることは出来ないから。

       

      それでもずいぶん肉厚になった掌は、親指の付け根には力こぶも出るようになり、

      皮が分厚くなった右手の親指と人差し指は、ちょっと切ったくらいでは出血しない。

       

      彫っている自分の手元を見ていて、

      彫っている父の手元を見ていたときのことを思い出すこともある。

       

      重なって、つながっている二人の手。

      右利きの父、左利きの私。木と刀を握る手は逆やけど。

       

       

      最近、また別のことも考えるようになって。

       

      削られている木が、この掌の中で、

      「なんやクッションきいてて気持ち良いなぁ〜」と思ってくれてたらいいのにな、と(笑)

       

      前は、彫っている自分が木肌の気持ち良さに癒やされてたけど、

      今は、木にそう思われたいなぁ、と。

      「なんやめっちゃ気持ち良い思ってくつろいでる内に、なんやめっちゃ格好良くなってるやん!」

      なんて思ってくれてたらいいのになぁ〜。

       

       

      「木に慣れるんやなくて、木になってしまえ」

      父にそんなことも言われたなぁと思い出す。

      木の気持ちに寄り添って仕事が出来たら、木に喜んでもらえるやろか。

       

      そんなことも考えながら、今日も一日木を削っていた。

       

      人にも木にも喜んでもらえる、そんな仕事がたくさんしたい。

       

       


      小さいからこそ

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        「そんなに小さくて、彫るの大変じゃないですか?」

         

        ある人に、そう問いかけられた。

         

        彫りながら私はなんて答えたやろう?

        このところ、その場面を思い返しながら、日々木を削っているのだけれど。

         

        いつも彫っているお地蔵さん。

        高さ1寸1分、幅と奥行きは6分に木出しする。

        蓮台、お地蔵さん、光背合わせての高さやから、

        お地蔵さんの大きさは7分5厘ほど(2、5センチくらい)

         

         

        「下描きしないんですか?!」とも問いかけられた。

        四角い木に、台座、首、頭の位置に鉛筆で線を引き、その上に鋸を入れる。

        あとは手が覚えているから、描かなくても大丈夫。

         

        確かに小さいとは思うけど、

        香合仏やったらもっと小さく細かく彫らなあかんし、

        もっともっと小さくてすごい仕事してたひとも、知っている。

         

         

        このお地蔵さんを彫るようになったのは、15年ほど前。

        仕事として彫ることから一旦遠ざかっていた私が「もう1回」と新たに彫り始めて、

        「やっぱり仏さん彫ろう。・・何の仏さんがいいやろう?」

        と考えたときに出てきはったのがこのお地蔵さん。

         

        掌におさまるサイズのお地蔵さんがいい。

        そう思って決めたから、「小さくて彫るの大変」とは思わへんかったよなぁ。

         

        仏さんに限らず、今作っているもの、ほとんどが掌におさまるサイズ。

         

        握りしめたときの木の感触、それを大切に仕事をしている。

         

         

        私は父の仕事を見て育った。

        原木が四角く木取りされて、だんだん仏さんが出てきはって、

        仕上げの段階になると、手垢を付けへんように、白生地に包んで持って彫るようになる。

        その過程を、繰り返し繰り返し見ながら暮らしていた。

         

        父が席を外しているときに、

        「どれくらい仕上がってはるんやろ?」と、そっと布をめくって仏さんを見るのが好きやった。

         

        触ったらあかんようになっていかはる木、

        それとは別に、日常生活の中には父の彫ったものがあふれていた。

         

        ハンコや耳かき、母の髪留め。

        なくなった将棋の駒や折れた編み針は、父が代わりを彫っていた。

         

         

        おもちゃ箱に入っていたうさぎ。

        他のおもちゃとは明らかに異質なものやったけど、このうさぎと一緒にままごとをしてたし、

        私だけではなく兄姉もこのうさぎをおもちゃにして育ったという。

         

        ずっと手に残っているこの感触、記憶。

        だから「触れる仏さんが彫りたい」に行き着いた。

         

        彫り始めて何年か経ったとき、

        あるお客さまが

        「自分が死ぬときに、このお地蔵さまを握りしめて死にたい」と言ってくれはった。

         

        ちょっと距離のある、仰ぎ見て拝む仏さまやなくて、

        もっと身近な、自分だけの仏さまって思ってもらえるものを作りたいと思って彫り続けていたから、

        とても嬉しかったし、身の引き締まる思いがした。

         

        お地蔵さん、お守りで連れて歩いてくれてはる方もおられる。

        大切なひとの面影を重ねて持ってくれてはる方もたくさんおられる。

         

        今もそのひとと一緒にいるように感じてくれてはったら嬉しいし、

        どこにでも一緒に行ける・・というのは、小さいからこそ出来ることやと思う。

         

        他の仏師さんが、私の父みたいにいろんなものを彫ってはるのかどうかはわからへんけど、

        私が今、小さいもの、いろいろなものを彫るようになったのは、父の影響。

         

         

        小さいからこそ伝えられる木の魅力を、これからも伝えていけたらいいなと思う。

         

        誰かが想いを込めはるものを作る・・ということへの責任も忘れることなく、気持ち引き締めて。

         

         

         

         

         


        楽しかった気持ちが今につながっている

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          作品の仕上げの前には、必ず刃物を研ぐ。

           

          研ぎ立てのめちゃめちゃ良く切れる状態で木を削ってやって、きれいに仕上げるために。

          それと同時に、気持ちも研ぎ澄まして自分に気合いをいれるために。

           

           

           

          研ぎ上がった道具たちを見て、「きれい」と思うし、気持ちが高ぶる。

           

          でも、これを見て「怖い」と感じるひとも・・

           

          今まで意識したことがなかったけれど、これは鋭利な刃物で、手元が狂えば大怪我をするわけで。

          それを一日に8時間も10時間も握りしめて仕事をしているんやから、常に緊張しているわけやんなぁ・・

          そんな話を娘にしたら、

          「うん。お母さんの集中力はすごいと思うで」と言われた。

          そうか、私のしていることはすごいことなんや。だからこんなにヘトヘトになるんや。

          細かい作品が多いから疲れるんや、そう思ってきたけど危険と隣り合わせの仕事なんやなぁ。

           

          無意識で何十年も仕事してきた。

          彫刻刀を怖いと思ったことなどなかった。

          なんでやろう?

          そう考えたら、やっぱり父の存在が。

           

          子供の頃、彫っている父の手元を見ているのが好きやった。

          心地良い音をたてて削られていく木から、いろんなものが姿を現してくる。

          まるで手品か魔法のように。

           

          子供の私は、父が操る彫刻刀を魔法の杖のように感じていたのかもしれない。

           

           

          食事のときに箸を持つように、

          文字を書くときに鉛筆を持つように、

          木を削るときに彫刻刀を持つのは、我が家では日常の風景やった。

          そして私も父と同じように、彫刻刀を持つようになった。

          最初はもちろん上手く削れなかったけど、

          今はずいぶん道具とも木とも仲良くなれたと思う。

           

          個展のときには、また会場で木を削る。

          私が幼い頃に感じたあのワクワク感を味わっていただきたくて。

           

          今も覚えている。

          左後ろから覗き込んでた父の手元。白い膝掛けの上に落ちる小さな木くず。

          テンポ良く削られていく木。

           

          今は私の手が、同じように木を削る。

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           


          鋸挽く時間

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              一昨日、昨日と木出しの作業が続いている。

             

            アクセサリーは端材で作る。

            観音さまや阿弥陀さまになれる大きさの木を、アクセサリー用に細かく挽くことはない。

            まず、仏さんの本体と台座、光背。次に1寸のお地蔵さんの木取り。

            私がずっと彫り続けている1寸のお地蔵さんは厚みが6分(2センチ弱)必要。

            和つなぎⓇネックレスなどに必要な厚みはその半分。

            長さも厚みも限られた手持ちの材木で、優先順位を決めて木を選んでいく。

             

            割れが入っているものはそれを避けて、どこまでの深さで入っているかも見極めながらの作業。

            何時間も鋸(ノコギリ)を挽く。

            「機械で挽いたら一瞬なんやろうなぁ」と思うときもある。

            そしたら挽いている時間を彫る時間にまわせるやんなぁ。

            でも、大変やけどこの時間は嫌いやない。

            なんか、木と話しているように感じる時間やから。

            鋸も何本か使い分けながら、「目立てしなあかんよなぁ」とも思いながら。

             

            最近はホームセンターで替刃の鋸を売っているのをよく見かける。

            切れなくなったら刃を取り替えてそれでおしまい?刃も使い捨て?

            う〜ん、なんか私にはしっくりきぃひん。

            ウチの鋸は父が使っていたもの。

            手入れをしながら、長く、大切に使う・・私にとってはそれが当たり前。

            便利や手軽が悪いとは思わへんけど、

            なにもかもがスピードアップしていく世の中にはついていけへんなぁ。

             

            今日も家にこもって仕事。

            人と話さず、

            木や道具と話ながら。

             

             

             


            寒さ厳しく

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               今朝、地面に霜柱が!! 霜柱なんか見たの何年ぶりやろう・・

               

              私が子供の頃は、氷が張ったり霜柱が立ったり・・は珍しいことではなかったし、

              「水道凍って水が出ぇへん」なんて朝の台所で母が困っていたのも何度か覚えがある。

               

              ふと思い出したのが、小学校5、6年生のときのこと。

              毎朝裸足で運動場走らされてたなぁ〜。

               

              そのときの担任の先生が「根性をつけさせるため」って言う理由で、

              毎朝登校してきた子から順番に予鈴が鳴るまで走るように指導してはって。

              寒い寒い冬の朝でも、もちろん裸足で。

              素足で霜柱踏んだジャリッ!っていう感触をふと思い出した。

               

              今やったらそんなことさせられたら問題になるんやろうなぁ。

              でもあの頃は「厳しくて良い先生」って、保護者には人気の先生やったなぁ。

               

               

               仕事は今こんな感じで、これは髪留め用のパーツ。

               

               

               ブローチ用のにゃんこたち。

               

              私は数もんの仕事(たくさん数を作る仕事)でも型紙を作らないものが多くて、

              木を見て話をして形作っていくので、みんな少しずつ違っている。

               

              手元にある木がすべて仏さんになれるわけではない。

              だから私は、いろんなものを彫る。

              たくさんある木っ端たちを片付けながら、

              「これは蓮の花びら、これはねこ」なんて仕分けていくけれど、

              それは私以外のひとにはわからへんことで・・

              だから「急げ急げ!!」と彫り進む。

               

              手元にある木を、みんな送り出してやれたらいいなぁ。

               

               

              今日の仕事場は、12℃から室温が上がらず・・

              でも外でお仕事してはる人はもっと大変やろうし、

              めっちゃ雪降って大変な所もいっぱいあるし。

              いっぱい着込んで頑張ろう。

               

              明日もたくさん彫れますように。

               

               

               

               


              日だまりでねこを彫る

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                 このところ日中は、南向きの台所で仕事をしている。

                 

                仕事部屋にしている部屋は北向きでとても寒くて。

                天気が良い日は午前中から3時頃まで台所にいる。

                床に座布団敷いて、膝掛けと道具。

                ここなら暖房も手元のライトもいらない。

                 

                日中はひとりやから、どこで彫ってても誰にも文句言われへんし。

                ただ、散らかる場所が増えるけど(笑)

                 

                これで彫ってる私の傍らに、

                ひなたぼっこしてるにゃんこがいてくれたら最高なんやけどなぁ。

                 

                そんなことを考えながら、仕事をしている。


                無駄なく彫りたい

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                   三連四角、和つなぎⓇの新作です。

                   

                  和つなぎⓇネックレスの、男の人でも使えるものを・・と考えて彫り出した長方形シリーズ。

                  これがめっちゃ楽しくて・・

                   

                  なぜかというと、木取りにホントに無駄がない!

                  細いドリルで穴を開けてやって、角っこ小さく四角に切り落とすだけでいいから。

                  他のデザインだと、重なっている部分の中や、周りの部分もけっこう落とさないといけなくて、

                  その木ぎれをまたどうしようかなぁ〜という感じで・・

                  でも、このシリーズは、目いっぱい使い切ってやれるから、とても嬉しい。

                  そのかわり彫って外す難易度は上がっているのだけれど(笑)

                   

                  貴重な木やから、大切に大切に、無駄なく使って彫ってやりたい。

                   

                   

                   


                  今日の仕事は

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                      たくさん木の実をいただきました。

                     

                     

                    昨日もらった木の実たち。色が変わらないうちに・・と仕事に取りかかる。

                    同じ種類でも大きさもいろいろ。とりあえず大ぶりのものを。

                     

                    自然が作り出すものは、きれいやなぁ〜。色も、形も。

                    写真を見て作るのと、実物を見て作るのとでは全然違う。

                    少しへこんでたり角張ってたり。そういう所も見たままに。

                     

                    仏師の修行では、「きれいに整えて彫る」ことを学んだ。

                    自然からは整っていない美しさを教えてもらっている。

                     

                    形はこんなもんで、あとは色が表現出来るかなぁ?

                     

                     

                    私の手元にはたくさんの木がある。

                    すべての木が、仏さまになれる訳ではないし、

                    他のひとなら捨ててしまうような小さな木っ端たちもある。

                     

                    でも、木も生き物やから、

                    どこかで葉を茂らせていた木が、縁あって私の手元にやってきたんやから、

                    その木が生きる形にしてやりたいと思う。

                    「こんなもの彫れる?」の声に応えて、いろんなものを彫っていきたいと思う。

                     

                    仏さん彫ってる父のそばで、木くずをおもちゃにして私は育った。

                    木が好きやから、私はこれでいいと思う。

                     

                     花びら1枚手にしただけで、幸せな気持ちになってくれはるひとがいる。

                     

                    なんでも彫れる職人になりたいし、

                    木に寄り添って彫っていきたい。

                     

                     


                    白檀の香り

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                      刃物を研ぐ。

                      研ぎ板に砥石をのせて、その上に前屈みになって、覆い被さるように彫刻刀を研ぐ。

                       

                      砥石の上を刃が滑る音。子供の頃からずっと聞きながら育ってきた音。

                      その音と同じリズムで、その音の主がいなくなった今、刃物を研いでいる私。

                       

                      時折ふと、白檀が香る。

                      周りには木くずや木片。香って当然なんやけど、この香りの中で育った私には感じない香り。

                      ず〜っとそうやったんやけど、ここ1、2年、仕事していて時折感じるようになった。

                       

                      何が変わったんやろう?

                      自分でもわからへんけど、何かのメッセージかなぁ?と思っている。

                       

                      父からの?

                      木からの?

                       

                      わからへんけど、深い香りはこの木で仕事が出来る幸せを改めて感じさせてくれる。

                       

                      気を引き締めて、

                      研ぎ上げた刀で最後の仕上げ。

                       

                       

                       



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