「和をつなぐ」展 ご報告 3
「和をつなぐ」展
今回行く前2ヶ月ほど、ブログをほとんど更新しなかったので
作品紹介も出来ていませんでした。
実は
東京での個展は最後のつもりで準備を進めていました。
なので、見てもらいたいものはすべて彫って持って行こう!と。
とにかく彫りたかった
彫ることに出来る限り時間を使いたかった
そんな日々でした。
いつもは
早くから予定を決めていても追い込まれないと動けない私ですが
今回はかなり計画的に準備を進めていたんですよ。
でもね、
ひとつ仕上げるのに何日も何週間もかかる訳やから
やっぱり時間は足りなくて。
今回、どうしても彫って持って行きたかった「蓮」
白くてきれいやけれど、割れが入っている楠の板。
花びら用にと残していた材で、
割れを避けて木取りしました。
材が変わると色が揃わないので
すべての花びらを同じこの材で取りたくて。
1枚の失敗も許されない材の大きさに
割れの深さを見極めながら鋸を挽き、きれいに使い切って。
今年見に行った蓮の写真を見返しながら
花びらを彫り
貼り位置を決め
花を咲かせていきました。
仏師の修行時代から蓮華の仕事が大好きで
「台座のパーツの1つやなくて、これだけで作品になればいいのに」
って、ずっと思っていました。
その思いがようやく形になって
私だけの蓮の花になって
彫れるようになってから10年ほどになります。
今回東京で
たくさんの方に見ていただけました。
そして
蓮のお香を作られる方や
蓮のお茶を淹れられる方など
蓮でつながるご縁もいただきました。
これからいろいろとご一緒させていただけるのが、とても楽しみです。
今回の蓮は
少し傾けて仕上げました。
台座の蓮と違って
自由に柔らかく
でも、1段目を貼っているときにもう次の花のことを考えていました(笑)
「このコはこの位置でこの開き具合やけれど、次はもう少し咲かせてみたいなぁ」なんて。
「この大きさで、白檀で彫ってみたいな」とか
残りの時間で
頭の中に見えている蓮を、どれだけ咲かせられるんやろう?と思います。
1つでも多く咲かせられますように
誰かの心を和らげられますように
祈りながら願いながら
どうか明日も元気に目が覚めて
元気に仕事が出来ますように。