ひとつひとつ、ただひとりの方のために

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    お地蔵さんが仕上がったとき、いつも娘に見てもらう。

     

    1体1体それぞれに、

    「可愛らしいお顔やなぁ」とか、

    「えらい細いお地蔵さんやなぁ」とか、

    自分の思うところはあるけれど

    お客様にお渡しするときに、それを口にすることはない。

     

    見るひとによって、感じ方は違うから。

    先に私がそう言ってしまうと、

    そういう先入観で見てしまわはるかもしれへんから。

     

    個展用のときは、

    「どんなひとが待っててくれてはるんやろうなぁ」

    と思いながら彫っているし、

    注文のときは、

    やり取りしたメールを読み返してから彫り始めるようにしたりして、

    どちらのときも「そのひとだけの仏さん」にならはることを意識して仕事を進める。

     

    だからああやこうや言い合うのは娘とだけ。

    私が思ってることと娘が感じることでも、すでに違うし。

    で、二人で順番にお地蔵さんをなでなでして、

    「いってらっしゃい」

    「仲良く暮らすんやで〜」

    と声をかける。

    それから、

    袋に入れて箱に入れて、送り出す準備に入る。

     

     

    今までどれだけ、そうやって送り出してきたんやろう?

    これからどれくらい、同じように送り出していけるんやろう?

     

    無事に送り出して、

    喜んでおられるのを見て安堵して、

    また次に取りかかる。

     

    生きてる限りその繰り返し。

     

    気持ち研ぎ澄まして。

     

     

     

     


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