ただひたすら一生懸命に彫る

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    自分の纏う空気がピリピリしているなぁと思う。

     

    今、香合仏を彫っている。

     

    白生地で包まれた仏さまを手の中に

    3厘や5厘の彫刻刀で

    何日もかけて彫り進んでいく。

     

     

    仏さまの仕事をしている間は、

    何をやってても緊張している。

     

    洗濯干してても、ご飯作ってても、

    どこにいて何をしていても「今、仏さん彫ってるんや」ということが頭から抜けない。

    常に緊張状態。

    気持ちも身体も持たへんから、年に1、2体しかお作り出来ない。

     

     

    私は父のように、

    何百体もの仏さまを彫ってきたわけではない。

    持っている技術力も、

    父には到底かなわない。

    いつもそう思っている。

     

     

    でも、娘が言うてくれた。

     

    「お母さんの仏さんが欲しいひとは、お母さんの仏さんやないとあかんのやで」

     

     

    それは作り手としてとても幸せなことであり、とても苦しいことでもあると思う。

    だからいつも、あがきながら、

    今の自分に出来る精一杯のことをする。

     

    研ぎも、彫りも。

     

    もっと上手くなりたいよなぁと思いながら。

     

    「一生勉強や」

    父の言葉を思い出しながら、

    苦しくて、でも楽しくて

    なんとも言えない時間を過ごす。

     

     

    待っていてくれてはる方が

    その手の中でそっと蓋を開けはったときに、

    微笑んでくれはるように、

    そのお顔が見られるように、

     

    願いながら、ただひたすらに。

     

     

     

     

     


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