今日の仕事は

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     寒い!! 家中の窓は閉まっているのに、カーテンやのれんが揺れている・・すきま風

    仕事場にある暖房は、小さいオイルヒーター。今日はつけてても室温が12度から上がらない。

    いっぱい着こんで、指なし手袋もはめて、途中で止まっていたお地蔵さんたちを仕上げている。


    彫っていて、なんとなく気持ちがついてこなくなって、
    仕上げきらずに置いておくものがある。

    それがどんどん仕上げられるようになったってことは、行き先が決まらはったんやろうか。

    待っていてくれてはる誰かのために、小さな小さなお顔を刻む。



    昨日の夜に

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       昨日の夕飯時、ふと、母に名前を呼ばれた気がして。

      気になったので、電話をかける。仕事柄年々アンテナが研ぎ澄まされてきていて、
      虫の知らせ・・みたいなこととか、なんとなく、いろんなことを感じやすくなっているので

      夜8時過ぎ、家にいるはず。・・・出ない。

      「お風呂かなぁ?1時間待ってかかってきぃひんかったら、またかけよか。」
      娘とそう言いながら、夕飯を済ます。

      9時になった。電話はかかってこない。
      もう一度こちらからかけてみる。・・・やっぱり出ない。

      今度は携帯じゃなく、家の電話にかけてみた。呼び出し音3回目で、母が出た。

      「もしもし?元気にしてるか?」

      うつらうつらしていて、気づかなかっただけらしい。「ごめんごめん!」と元気な声。
      横で娘もほっとしている。その後、娘に受話器を渡したら、15分ほど楽しそうにしゃべっていた。
      離れていても、受話器からもれ聞こえてくる母の笑い声。 めっちゃ元気や、大丈夫や

      だんだん周りで、お父さんやお母さんが具合悪い・・っていう話が増えてきた。

      そういう年代になってきてるので、仕方ないんやけど。


      娘はあと2年で成人式。

      その昔、私が着た振袖に袖をとおす予定。

      そこまで元気でいてや、お母ちゃん。余裕で大丈夫やと信じたいけど。



      和つなぎ

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         私は、自分のホームページの、ハートの「和つなぎ」の写真が大好きだ。

        この写真は、ホームページを作ってくれはったひとが、撮ってくれはったもの。
        暑い暑い夏の日に、仕事場に撮影に来てくれた彼女。

        出来あがった写真を見て、驚いた。まるでハグしているかのような、ふたつのハート。

        自分が作品写真を撮るときにはしたことのない重ね方で、彼女の感性に、すごく感動した。

        「和つなぎ」に込めた想いが、見るひとにとても伝わる写真だと思う。


        ひとつの木を、彫り込んでいって、ふたつのパーツにする。

        後からはめ込んだわけでなく、つながった、ひとつの木。

        金属のアクセサリーなんかでつながった細工のもの、よく見かけるけど、
        同じデザインでも、作り方が違うから。

        「つながってるよ」 に込めたメッセージ。
        ひとそれぞれに、相手は違うと思うし、それぞれ自由に感じてほしいし。

        木はどんな場合でも、やさしくてあたたかい感触で、気持ちに寄り添ってくれると思うから。
        そして気持ちを吸い込んで、育ってくれるから

           

        私が10年近く身につけているハートは、良いも悪いも全部見てきてくれたハート。

        あめ色の艶で、やさしく光ってくれている。

        これからも、ずっと一緒に。






        いつもの道で

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           今日は歩きに出たら、雪が降ってきた。

          久しぶりにとびきり寒い日。
          いつものにゃんこ道で、顔見知りのにゃんこに 「にゃ〜ん」 と呼び止められる。

          「寒いなぁ!元気にしてるか〜?」

          「にゃ〜〜ん」

          すりよってきてくれるので、手袋をはずして背中をなでる。
          写真撮りたいな、と思ったけど、カバンに手を入れると期待させてしまうので、思いとどまる。

          昼間は日向ぼっこしているけれど、この寒い時期、夜はどこで寝ているんやろう?

          野良にゃんの暮らしはきびしいもんなぁ。最近見かけないコたちはどうしたんやろう・・

          「バイバイ」 と手を振って、歩き始める。しばらく行くと、また別のコが 「にゃ〜ん」・・


          今日は3匹。 

          おやつもご飯もあげない私に、あいさつしてくれてありがとうね。



          仏さまと暮らすということ

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             センター試験が終わり、今週末には国公立出願前の、三者懇談。

            ピリピリした日々が続いている我が家。
            観音さまをお納めしたのは、はるか遠い昔のよう。

            家に仏さまをお迎えする・・誰もが体験されることではないんですよね。

            私は、生まれたときからずっと、仏さまと一緒で、
            今も、たくさんの仏さまと一緒やし、これから先も、きっとそうやし・・

            私にとっては当たり前の日々やけど、そうでない方にとっては、特別なことなんやなぁ。

            でも、お家にきてくれはる仏さまは、
            お寺や博物館におられる仏さまよりも距離が近い、ご縁の深い方やから、
            日々の出来事なんかを話しかけながら、仲良く暮らしていただけたらいいなぁ、と思います。




            4寸の観音さま、彫っている間は、苦しくて、でも楽しくて。 そんな日々でした。


            気持ちはもう次に向かっています。

            また、どなたかの心にそっと寄り添うものを、お造りできれば・・日々精進です。






            今までありがとう

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               去年の12月23日、ずっと使い続けてきた父の電気スタンドが、壊れてしまった。

              観音さまの仕上げをするのに、新しい電球に換えて、明るくして仕事しようと思って、電球を取り換えた。
              スイッチを押したときに、いつもと違う感触と音・・・つかへん・・・


              えぇ〜〜〜っ!!うわぁ〜っ、いらんことしてしもた!!

              それも、なんでこのタイミングなん!?
              こんなことになるんやったら、換えへんかったらよかった・・・(涙)


              めちゃめちゃへこんでる私に娘が語りかける。

              「・・なにも、お父ちゃんに見捨てられたわけやないんやから。
              お母さん、観音さま、お父ちゃんの観音さまやって言うてたやん」

              そう、最初、父の彫る観音さまにとても似ていた。

              「ちゃんと見ててくれはるって。 
              ここからは、ひとりで頑張れってことなんやないの?」

              私は、父の使ってた灯りの下で、ず〜っと一緒に仕事してるつもりで、彫ってきていた。

              「大丈夫やって。」

              えぇ〜、でも、私、ふたりで仕上げがしたかった・・

              「大丈夫!!」

              ・・(涙)


              娘に励まされ、とりあえず新しい電気スタンドを買いに走る。
              そのときは、まだ、「なんとか直して使えへんやろうか?」とも、思っていた。

              2件目の店で、気に入るものがあった。

              買って帰ってきて、灯りをともす。

              新しいスタンド、新しい灯り。 その瞬間、不思議とあきらめがついた。


              これからはひとりで頑張っていこう。


              いつかは、こんな日がくるのはわかっていた。なんでこのタイミングなん!?とは思うけど、
              そうやんな、娘の言うとおりなんやろうな・・

              40年近く頑張ってくれてたのは、すごいこと。

              でも、壊れたからって、捨てることは出来ひんから、傍で見守っててな。

              長い間、ありがとう。

              新しいスタンドさん、これからよろしくお願いします。


              それから、
              新しい灯りの下で、観音さまの仕上げをして、

              無事に仕上げて、昨日、納品出来ました。


              ひとりで出来たよ、お父ちゃん。

              大丈夫って言ってくれた娘、ありがとう。














              あと少し

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                昨日の夕方、学校から帰って来た娘が私立大の出願手続きを始めた。

                今どきの大学受験はとってもややこしくて、
                まして、大学受験の経験のない私には、訳のわからない世界

                「自分のことやし、自分でしてな」 と、手続きは娘にすべてまかせている。
                私の役目は、受験料を準備すること。


                インターネット出願の割引があるものの、それでも私には覚悟のいる金額。
                娘もそれはわかっているので、神妙な面持ちで頭を下げてくれる。

                出願手続きが出来たので、近くのコンビニに受験料を払い込みに行く。
                娘はプリントアウトした書類を揃えて、郵便局へ。

                夜8時前、すべて完了。

                でも、まだ本命大の出願もあるし、センター試験、そのあと続く何度かの入試・・

                緊張の日々は続くけど、
                「大丈夫、大丈夫」と、 自分に娘に、言いきかせながら
                ひとつずつ、乗り越えていくんやろうな。

                次はセンター試験。風邪ひきませんように。当日、雪が降りませんように。


                真っ白な。

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                   仕事場のまな板(仕事台)の上に、白生地に包まれた観音さま。

                  仏さまの仕上げのときは、手垢がつかないように、白生地に包んで持って、仕事をする。

                  彫る手を止めるときは、仏さまをすっぽり包み込んで席を立つので、こんな状態。

                  昔、修行に行っていた頃、帰宅時間が遅くて・・
                  早寝早起きの父は、私が帰る頃にはもう眠っていて、
                  会話をすることもあまりなかった。

                  深夜、父の仕事場に入って、灯りをつけて、まな板の上の仏さんの白生地を、そっとめくる。

                  「今、どんな仕事をしているんやろう?」

                  話す時間がとれないから、仕事を見て様子をうかがってたあの頃。

                  布の下から現れる仏さんは、いつも、あめ色にひかり輝いて、

                  ものすごい刀切れで、そしてやわらかい衣のひだの流れで。

                  同じ道に入ったからこそわかる、高い技術力に、いつも感心させられていた。


                  今、ここにいはるのは、私が彫ってる仏さん。

                  自分の仕事なんやけど、手にとって布をめくる瞬間は、いつもドキドキする。

                  白生地の下には、やさしいお顔。


                  とらえ方ひとつ

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                      陽だまりのにゃんこ。  年末、奈良で。


                    同級生の仲良し3人で、一番先に誕生日をむかえる私。私は5月で、次のカオリちゃんは6月。
                    私のことお姉さん扱いする彼女に、「はよ(早く)追いついて〜〜っ!」と叫ぶのは毎年のこと。

                    でも、3人目のシュンちゃんが追いついてくれるのは12月。
                    そのあとクリスマスやお正月、2月には娘の誕生日・・あっという間に春がきて、私はまた誕生日をむかえる・・・

                    新しい年を迎えるっていうことは、またひとつ、歳をとるっていうこと。

                    お互い「お誕生日おめでとう」って言いながら、
                    「もうあんまり嬉しくもないよなぁ〜」なんてボヤキも出たりする。

                    少しずつあちこち衰えていくし、確実に減っていく持ち時間を考えたりもする。

                    でも、まだまだ行きたいところも、やりたいことも、彫りたいものも、たくさんある。
                    夢や希望は、17才の娘に負けへんくらい持ってる気でいる私。

                    それに、「もう45やし」と嘆く私を、「まだ45やん〜!」と笑い飛ばす、何人かの素敵なお姉さま方。

                    同じ数でも、とらえ方ひとつなんやな・・と。
                    私やって30代の友達とかに 「まだまだこれからやん」とか言ってるもんなぁ。

                    通り過ぎていく時間は止められないけど、
                    思い返したときに、満ち足りた時間だったと思えるように、
                    そんなふうに過ごしていけたらいいな。

                    素敵な春を、迎えられますように。





                    2015年

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                       今年の京都は、雪のお正月。 

                      一日の午後から降りだした雪は、あっという間に積もって・・

                      二日、溶けずに残っていたところに、夜にまた降り積もり・・・


                      こんなに積もるのは珍しい。

                      今朝は、娘を送り出してから(昨日から学校でセンター試験対策講座)歩きに出て見た。



                       まるで満開の花のような雪。




                       いつものねこ道には、にゃんこの足跡。



                      楽しいこと、しんどいこと、いろいろあるけど、

                      娘と二人、仲良く元気に新しい年を迎えられたことに感謝して


                      これからもしっかり木と向き合っていきたいと思います。

                      今年もよろしくお願いします





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