リニューアルオープンした「なら仏像館」へ

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    昨日は久しぶりに娘と奈良へ。
    世間は連休中。でも最終日やったせいか、思ってたほど人は多くなく・・

    まず、にゃんこ作品を置いていただいている藤田芸香亭さんへごあいさつ。
    今、通りに面したガラスケースにしっぽにゃんを展示していただいています。

    そのあと、奈良国立博物館へ。リニューアルオープンした「なら仏像館」が目的地。
    大学の授業で、博物館や美術館へ行ってレポート提出・・の課題がある娘。仏さんのことなら少しは役にたってやれるかな、と。


    奈良国立博物館は、娘が小さい頃から、二人で何度も訪れていた場所。
    良いものをたくさん見せておいてやれば、どんな仕事につくにせよ、きっと役に立つから・・
    そう思って、お寺や美術館などにはたくさん足を運んだ。私もそうやって育ててもらったし。

    ここでは大好きな仏さんに思いがけずお会い出来ることもあって、いつもわくわくどきどき♪の場所。
    2年間の改修工事が終わって、久しぶりに入った館内。
    ケースのガラスに高透過ガラスを採用されたとのこと。確かに、ガラス越しなんやけどガラスがないように感じるくらいで、仏さまとの距離が近い気がする。
    久しぶりにお会いする方、初めてお会いする方。側面や背面が見える状態で入っておられる方もたくさんおられて、彫っている者としてはとても勉強になる。

    二人であれこれ話ながらじっくり見ていると、閉館30分前のチャイムが・・「えっ?!もうそんな時間?!」
    入館したのが15時過ぎと、ちょっと遅かったんやけれど、まだ3分の1も見ていない。
    そうかぁ、私らはもっと時間に余裕をもって来なあかんのやなぁと反省、あとは残念やけど慌ただしく見て回る。
    そんな中、破損した仏さまのパーツを展示してある部屋があって、
    手や足先、蓮華の花びら1枚、天衣の一部など、本当に一部分だけが残っておられて、
    「あぁ、でも、こんなになっても残らはるんや。それってやっぱり、仏さんやからやんなぁ」って思った。
    ひょいっと親指の先を持ち上げた片足の足先を見て、「どんな仏さんやったんやろう?」と思いを巡らすひとがいる。
    自分の仕事がそんなふうに、小さな一部分だけになっても残っていく。
    なんて幸せで、特別な仕事なんやろう。

    「今度はもっと、ゆっくり見に来ような」と、閉館のチャイムに追われて館内をあとにした。
    今回娘は、室生寺の十二神将さまに心を奪われたようだ。


    娘は、彫る道には進まないと思う。
    でも、彫っている私のことを理解してくれて、一緒にこうやって仏さまに会いに来れる。
    それだけでも十分幸せ。
    私はこれからも勉強し続けよう。 「一生勉強や」父の言葉を思い出す。



     

    花一輪

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      この時期ホームセンターに行くと、たくさんの花の苗が並んでいる。
      ゆっくりと見てまわりながら、ほしいなぁ〜と思うものがあってもなかなか手を出せない私。
      置ける場所が限られてることと、責任持って育ててやれるか?ということと。
      父が大切に世話していた春蘭たちは、何十年も父の傍にいた。
      それを見ていたから、植物の鉢ひとつ増やすのも、にゃんこを家族にむかえるのと同じくらいの重さに感じる。

      そんな私の所に、今年はお友達に分けてもらった「ささゆり」が加わった。
      秋に植え付け、冬を越し、今、すくすく育って小さな蕾も見えてきた。
      ささゆりも父との思い出の花だ。
      何年ぶりかに見る花が咲く日を、とても楽しみに待っている。


      仕事は、11月の個展で展示する「蓮」にとりかかっていて、
      一枚一枚、花びらを彫り、貼りつけていく作業中。

      木の表面をなでるように刀を滑らせ、
      硬い木を、やわらかい、はかない花びらに変えていく。

      息を止めて、削る。
      ふっ、と吐く息で削った木くずを吹き飛ばして、短く息をすってまた止めて削る。
      その動作を何時間もくりかえす。 
      ときどき苦しくなって、深呼吸。

      そんなふうにして仕上げていく花は、花びらが重なっていくにつれ、やわらかく呼吸を始める。
      自分が彫ったものでなくなっていく瞬間を、いつものことながら不思議な気持ちで眺めている私。


      4月に大学生になった娘。
      学業、バイト、サークル活動、日々忙しく、楽しそうだ。
      どんどん増えていく友達。名前と学部と、そろそろ覚えれる限界を越えていきそう・・
      毎朝、笑顔で出かけていく娘は、いきいきとして、輝いて、「これから咲く花」やなぁと思う。

      私自身は、花の時期はとうに過ぎて、
      もう咲くことはないと思う。
      けれど、
      これからも「花を咲かせられるひと」でいたいと、蓮を彫りながら思っている。


      すっきりとした気持ちで

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        今日は47歳の誕生日。
        先日会った幼なじみの友達と「もう誕生日が嬉しい年齢でもないよなぁ〜」と話していたけど、

        今年はちょっと嬉しい私。

        数年前に、四柱推命の先生に「46歳までしんどいよ」と言われていた。
        その先生が言わはるには、

        私は20年続く人生のしんどい時期の、その中でも一番しんどい5年間の中にいる・・とのことやった。
        その時期を抜けて迎えた誕生日。厄が明けた〜!!みたいな気分。
        もちろん、急に良いことばっかり転がり込んでくるわけではないし、
        気を引きしめて日々精進していかなあかんのやけれど、
        なんとなく心が軽くなって。


        しんどい時期に突入していたという20年前、何があったやろう?
        思い返してみれば、結婚した年やった(笑)
        そして、父を亡くした年やった。

        いろんなしんどいことがあったけど、楽しいこともいっぱいあったし、
        大きな病気もせず元気にこの年齢まで生きてこられたことに感謝したいし。


        そしてちょうど半年後には、東京・谷中のギャラリーTENさんでの個展の初日。
        「あと半年しかない!!」と、正直焦り始めているけれど

        精一杯の仕事をして、たくさんの方に見ていただきたいなと思う。


        47年前の今日、お産が長引いて

        お医者さんや看護師さんが帝王切開の相談を始めはったのを聞いた母が
        「そんなんしたら入院が長引いて困る!」と、

        思わず「南無観世音菩薩!!」と出た声と一緒に私が生まれたそうで・・

        母方の祖父はお寺の出身で信心深いひとやったから、

        毎日お経を唱えてはるのを聴いて育った母がそう言ったのもおかしな話ではないんやけれど

        「先生(お医者さん)びっくりしてはったわ〜」・・そうやろうなぁ(笑)


        そんな母と、仏さんを彫る父の元に生まれてきた私。
        生まれたときからこの道がさだめられていたんやと思う。

        迷うことも、悩むこともいまだにあるけど、これからも精進していきたいと思う。



         


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