私は左利きやけど、小さいときに親に直されて、字を書くのとお箸を持つのは右手を使う。
字は右手で書くけど、絵を描くのは左手。細かい作業やとっさの動きはみんな左手で、右手はうまく使えない。
今は、左利きでも直されへんのやろうけど、昔はそうやなかったみたい。
彫刻刀は左手で持つ私。
怪我をするのは木を持っている右手の、たいてい親指か人差し指になる。
うっかりちょこっと・・ぐらいの傷なら大丈夫やけど、ざっくり切ってしまうと、さぁ大変!
お箸持つのも、鉛筆持つのも、激痛が走る。つまり、日常生活に支障が出る。
「めっちゃ困るよなぁ〜。でも、今さら左手でお箸持てへんやろうし・・」なんて話をしながら娘とご飯を食べていたときに、試しに左手で持ってみると・・「あれ?」
すっと、きれいに、箸が持てる。自分でも驚いた。
私は左手で箸を持ってご飯を食べていた記憶はない。
「左はあかんで!!」と、母に怒られながら一人で朝ご飯を食べていた記憶はある。
上手く持てなくて、何年も握り箸やった。結局きれいな持ち方が出来るようにならなくて、
夏休みに母の実家に行くと、いつも祖母に「この子は箸の持ち方が悪い」とため息をつかれた。
今までの人生のほとんどを、右手でお箸を持ってご飯食べてきたのに、
左手でお箸を持ってご飯を食べてたのは、ほんの少しの間やったのに、
身体は覚えてたってことなんやろうか?
きれいに持てたけど、使うとなるとぎこちなかった。でも、食べられなくもなかった。
昔、母に直されたけど、自分に戻ろうか。そしたら怪我したときにも困らへんし。
それに、自分の手がきれいな箸使いが出来ているのが、何より嬉しかった。
そんなことがあって、ときどき、左手をつかってご飯を食べるようになった。
今日は、久しぶりに手を切ってしまって、左手でお箸を持って、食事した。
もうすぐ、娘が帰って来る。
怪我したことを怒られるかなぁ(いつも、手切ったらあかんで!!って言われてるから)と思いながら、帰宅を待っている私。