静かなネコたち
ウチの営業部長。今度の東京も一緒に行きます。
私が彫るネコは、地味やと思う。
色もほとんど付けないし、超リアルに彫っているわけでもないし。
なので、他の作家さんたちのネコと一緒に並べると、埋もれてしまってめだだない。
以前何度か声をかけていただいて、合同のネコ展に参加させてもらったときに実感した。
でもね、さわってもらうと「あぁ、ネコやぁ〜」って。
きっと感じていただけると思う。
ネコに限らずやけど、作品をつくるときに心がけていることは、木の感触を大切にすること。
手にとったときに気持ちのいいように、その木の個性が生きるように、考えて仕事をしている。
それから、長く大切にしていただきたいので、飽きのこないように、なるべくシンプルに。
自分の技術をてんこ盛りに詰め込んでごちゃごちゃした作品ではなく、持ってくれはるひとの思いが入り込む隙間のある作品にしたいと思っている。 そして、手にとってくれはったひとが育てていってくれはったらいいな、と思っている。
私が本格的にネコを彫るようになったのは、愛猫「大吉」とお別れしてから。
楠の木の、つるっとひんやりとした感触が、大吉の毛並みの感触と似ているなぁ・・と思ったから。
だから、耳の間のおでこの感触や、あごの下の曲線や、ネコのさわり心地を、ゆるやかにさりげなくやけど、彫り込んでいるつもり。
顔を彫らずに仕上げるネコもいる。
顔がなくても表情はあるし、持つひとがいろいろ感じていただけたらいいと思う。
「しっぽにゃん」このコたちを彫るとき、ウチのコが窓の桟の所で昼寝してたのを思い出す。
呼んだらしっぽだけで返事してたよなぁ〜とか、振り向いたときのどんぐり目玉とか、
逝ってしまったあのコたちを思い出しながら、木を削り、生み出すネコたち。
どこかで
誰かと、そのひとの大切なネコさんと、つなぐ役目が出来たらいいな。
そんなことも思いながら、ネコを彫っています。
- 2016.10.14 Friday
- 作品(猫)
- 13:56
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- by けっち