今年もありがとうございました

0

    2016年最後の一日。毎年のことながら、仕事をしている私汗

    それでも、玄関に花を飾って、お鏡さんも準備して、晩には娘と年越しそばを食べる予定です。

     

    今年も一年、ありがとうございました。

    家にこもってひとりで彫っていると、

    「これでいいんかなぁ・・?」と不安になることもあるのですが、

    納品のときや展示会などで、嬉しそうに私の作品を連れて帰ってくれはる方々の笑顔や、

    10年細々と続けてきた木彫教室に今年新しく入ってくれはった方たちが「楽しいです♪」と言ってくれはるのに元気づけられ・・

    頑張ることが出来ました。

     

    今頃、

    いろんなお家でその家の方と一緒に、新しい年を迎えようとしている仏さまやにゃんこのことを思い浮かべながら、

    感謝の気持ちでいっぱいです。

     

    来年もたくさんの方を笑顔に出来るよう精進しますので、よろしくお願いいたします。

     

    皆さま良いお年をお迎えください。

     

     

     


    娘、来年成人式です

    0

      最近、久しぶりに会う友達に「来年成人式やねん〜」と言うと、みんな口をそろえて

      「一人でよぉ頑張ったなぁ!」と返してくれる。

       

      そうやなぁ。娘の20年間の内、かなり長い時間を二人で過ごしてきた。

      頑張ったよな、私。でも、みんなも助けてくれたやん。

      一人で二人ぶんって思っていっぱいいっぱいやった頃、

      友達が娘と手をつないで歩いてくれるだけで、休憩させてもらえてる気がしたなぁ。

       

      20年、あっという間やった。

      しんどいこともいろいろあったけど、二人であほなこと言うて笑ってたことの方が多いような気がする。

       

      まだ学生やから、一緒にいるし手のかかることも多いけど、

      「二十歳」ってひとつの節目やと感じる。

       

      成人式には、私の振り袖を着てくれる娘。

      ヘアメイクは娘が小学生のときからお世話になっている美容師さん、

      着付けは私の40年来の友達。

       

      打ち合わせ段階で感極まって泣きそうになってる私(笑)

      成人式でこれやったら、結婚式なんかどうなるんやろ?なんて思いながら、今までの日々を思い返している。

       

      クリスマスに、ばれへんようにどうやってプレゼント置こうかと考えてた頃も懐かしい。

      一緒に作戦たててくれたひともいはったし、サンタになってくれはったひともいはったし・・

      やっぱりみんなに助けてもらってた。 本当にありがとうございました。

       

      おかげさまで、ここまできました。成人の日は、どうか良いお天気でありますように!

       

       

       

       

       

       

       

       


      年末のホームセンターで

      0

        買い物に行って、ぼーっとレジに並んでいた。

        2人前のお客さん「お会計、一万七千・・円です」と、レジの人の声が聞こえる。

         

        すごい買い物やなぁ。何買わはったんやろ?

        首をのばして見てみると、カートいっぱいのキャットフード。

        カリカリの大袋に、缶詰、猫砂・・きっと多頭飼いなんやろうな。

        ウチの猫たちは、魚が主食でカリカリが副食、猫トイレは新聞紙をビリビリ破いて・・やったから、

        あんなにどっさり猫もんの買い物したことはなかったなぁ〜なんて考えてたら、ふと思い出した。

        去年の今頃、この店の駐輪場で出会ったおじいさん。

         

        自転車の荷台に、猫缶の箱を一生懸命くくりつけてはって、思わず声をかけてしまった。

        たしか、20歳越えのねこさんで、

        奥さんが飼うてはったんやけど、奥さんが先に逝ってしまわはって、世話してるんやって言うてはった。

        「缶開けてもちょっとしか食べへんのや」って

        「生き物やから、ちゃんと世話したらんとな」って、笑ってはったっけ。

         

        おっちゃんもねこさんも、元気に幸せに暮らしてはったらいいなぁ。

         

        そう願いながら、帰って来た私。

         

        私もまた、キャットフードの買い物出来るひとに戻りたい。

         

         

         

         

         

         


        ふるさとからみかんが届いて、思い出すこと

        0

            ふるさとから2年ぶりにみかんが届いた。

           

          父の生まれた場所、愛知県蒲郡市。本家では80歳になるいとこが今も山を守っている。

          彼女のお父さん、私の父の兄にあたるひとが植えた木を、大切に大切に・・

           

          売っているものみたいに見た目はよくないけれど、私にとっては世界一のみかん。

           

          子供の頃は果汁を搾って絵を描いて、火鉢の火で「あぶり出し」して遊んだりもした。

          小さい頃父と帰ったときに山に行って、貯水池のほとりでからっ風が吹いて、飛ばされそうで怖かったことや、

          伯父さんの犬がみかん畑を走りまわっていたことや、

          いろんなことを思い出す。

           

          父が逝ってしまってからでも

          「みかん切りに来んかね」と声かけてもらって、娘と二人遊びに行かせてもらった。

           

          すぐ海、すぐ山、そんな場所。

          海岸は埋め立てられて、少し海が遠くなったけど。

           

          家は新幹線と東海道線の線路に挟まれていて、どちらの電車に乗っても一瞬見ることが出来る。

          11月の東京の帰りは、懐かしい場所が見たくて、三人掛けの窓際に席をとった。

           

          昔はね、名古屋まで新幹線で、名古屋で東海道線に乗り換えて。

          快速は停まらへんから、各駅停車で、父と二人、景色を見ながら、

          「この辺は空襲で焼け野原になったんや」とか、「この川まで朝走って来て、川の水で顔洗ったんや」とか、昔話を聞きながら。

          三河三谷を過ぎると、山の上に大きな弘法大師が見えてくる。その頃には海も見えてる。

          ひとつ手前のこの駅で降りて、山を越えて帰ったこともあったっけ。

          弘法さんを見つめていると、やがてトンネルに入る。短い暗闇。「もうすぐ、もうすぐ」と、身体中の細胞がざわざわする。

           

          私は、京都で生まれて育った。でも、父のふるさとがとても好きだ。今も、変わらず。

          きっと、「帰りたい、帰りたい」と、私の中の父と祖母が言うてるんやろうなぁと思う。

           

          やがてトンネルを抜ける。みかん畑と、海が見える。家の横を通り過ぎる。もうすぐ駅だ。

          線路わきの土手の上を、海を見ながら歩いたあの日。

          いくつもの思い出が浮かんでくる。

           

          届いたみかんは、いつも真っ先に父に供える。

          「お父ちゃん、送ってきてくれはったよ」って声をかけながら。

          写真の父が、いつもより微笑んでいる気がする。

           

           

           

           


          ハガキが届いて

          0

              寒くなったね。ぎゅっと丸まって。

             

             

            今年は、いつもよりたくさんの喪中ハガキが届いている。

             

            「急逝いたしました」や、「天寿を全うし、永眠いたしました」など、

            短い文面の中に、亡くなられた方の人生やご家族の思いが垣間見える気がする。

             

             

            大好きなひとも逝ってしまわはった。

            郵便受けからハガキを取ってきてくれた娘が「お母さん、これって・・」

             

            そんなに、しょっちゅう会えるひとやなかった。

            去年展示会の案内を出したら来てくれはって、久しぶりにお会いして、思い出話をしていたのに。

            めっちゃ怖そうな見た目と違って、めっちゃやさしくて、

            毎年やり取りしていた年賀状で私が旧姓にもどったときは、電話してきてくれはって、

            ご飯食べに連れてってくれはって、ゲームセンターで娘を遊ばせてくれはった。

             

            たまの再会のたびに「課長〜きらきら」と駆け寄る私に、「もう課長やない言うねん!」といつも言って、笑ってはったひと。

            「年賀状も減ったわ。仕事してたときの半分や」

            去年の今頃、そんな話をしてはったのに。

             

            ハガキが届いたときは、びっくりしたけど「去年会えてよかった」と思った。

            日が経つにつれ、「あぁ、もういはらへんのやなぁ・・」と実感してきて、けっこうへこんでいる。

             

             

            毎年ひとつずつ齢を重ねる。

            彼岸に渡っていかはる大好きなひとが、少しずつ増えていく。

             

            さみしい気持ち、また会いたい気持ち・・そうやって、いつか自分が渡る覚悟を決めていくんやろうか。

             

            もう少し、こちらで頑張って彫りますね。

            蓮の花の上から、見ててください。

             

             

             

             

             

             

             


            これからも

            0

               今年の紅葉は綺麗でした。 お花みたいな葉っぱたち。

               

               

              早いもので、今年も最後の月がやってきました。

              先月の今頃は、東京にいました。

              去年の今頃は、東京での三人展の準備に追われていました。

               

              今は、来年はどう動こうか考えながら、仕事をしています。

               

              谷中には父の道具も持って行って展示していました。

              いつも仕事場に飾ってる写真も。

               

              私がこの仕事をしているのは、あの父の娘に生まれたからで、

              だから、東京で初めての個展、「一緒に行こう!」って、連れて行きました。

               

              一日が終わると、お友達が作ってくれはった袋に写真をいれて一緒にホテルに帰って、

              朝になると一緒に出勤して(笑)

              上野の森や谷中霊園も一緒に歩きました。

               

              名の知られていない、でも、とびっきり腕のいい職人でした。

              東京の方にそれを知っていただきたくて、作っていった説明文を、皆さん丁寧に読んでくださいました。

              こんな文章です。

               

               

              父 竹内義雲(本名 義一)は、大正15年、愛知県蒲郡市に生まれました。

               

              7人兄妹の末っ子で、海も山もすぐそばの自然豊かな町で育ち、旋盤工の職についていましたが、

              当時を知る本家のいとこが言うには

              「勝手に辞めてしまったんだよ」

               

              後をとっていた長男にも母親にも相談することなく、仕事を辞めてしまったようです。

              よっぽど彫りの仕事がしたかったのでしょう。

               

              23才の時、紹介状を持って京都に出て、仏像を彫る修業を始めました。

              まだ戦後間もない物のない時代、

              風習の違う京都で23才からの丁稚奉公。

              さぞかし苦労したことと思います。

               

              それでも一生懸命修業して、腕をみがき、

              たくさんの仏さまを生み出して、

              平成7年、69才の生涯を終えました。

               

              彫ることが大好きでこの道に入った、そんな父だったので、

              家の中には父の彫ったものがあふれていました。

              仏像はもちろん、ハンコや耳かき、おもちゃ箱にはウサギや木魚。

              仕事部屋からは木を削る音、家の中は、木の香り。

              木の中から生まれては旅立っていく仏さまたち。

               

              私にとっての当たり前がどれほど贅沢なことだったか知ったのは、ずっとずっと後になってからのことです。

               

              父と同じ道を進みながら、仏さま以外のものも彫るようになったのは、幼い頃の体験が大きいような気がします。

               

              ふと顔を上げれば、仏さまやネコと目があったり、

              胸元のアクセサリーを指でそっとなぞっていたり。

              つかず離れずでいつも傍に木がいてくれる、

              そんな日常を知っていただきたくて。

               

              木と人とをつなぐお手伝いが出来れば嬉しく思います。

               

               

              京都に戻って、仕事場のいつもの席、父の写真もいつもの向かい側。

              なんだか寂しく思ったのは、観音様が旅立たれたから。

               

              東京で待っていてくださった方のところへ、無事納まりました。

              長くかかって作らせていただいた仏さまでした。長く傍にいてくれはったから、

              いなくならはったことに少し違和感を感じました。

              でも、これが私の仕事で、

              自分のためやなくて、誰かのために彫らしていただいてるんやから、

              ご注文いただいて彫らせていただけたことに感謝して、

              観音様がその方の人生に寄り添って、見守っていってくれはることを願いながら、今は次に向かっています。

               

              これからも、一生懸命彫っていきますので、よろしくお願いいたします。

               

               

               

               

               


              1

              calendar

              S M T W T F S
                  123
              45678910
              11121314151617
              18192021222324
              25262728293031
              << December 2016 >>

              selected entries

              categories

              archives

              recent comment

              • おりんを包み込む蓮の花
                setsu
              • おりんを包み込む蓮の花
                corin
              • つながる思い
                setsu
              • つながる思い
                Sayoko
              • 黒檀の蓮華
                setsu
              • 黒檀の蓮華
                rico
              • 白い花
                setsu
              • 白い花
                マリ
              • 雨降り
                setsu
              • 雨降り
                マリ

              recommend

              links

              profile

              search this site.

              others

              mobile

              qrcode

              powered

              無料ブログ作成サービス JUGEM