八寸五分の鉋(かんな)

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     父の使っていた鉋(かんな)ちょっと不思議な形。

     

     裏側はこんなふう。

     

     

     

     たぶん、元々刃が入ってた部分の横が割れてしまったんやろう。

    釘を打って止めてあるし、刃が出る部分は木を埋めて塞がれている。

     

     「竹内」の「タ」が彫り込んであるから、修業時代から使っていたんやろうか?

    一人で仕事しているなら、名前を彫る必要はない。

     

     

    仏さまを彫るとき、原木からノコギリで切り出して、鉋をかけて、きっちりした直方体にする。

    大きい仏さまは寄せ木で作るから、そのときにも鉋は重要。

    張り合わす木がきれいに鉋かけが出来ていないと、貼り面に隙間が出来てしまう。

     

    今は電動鉋でしてしまう人が多いんやろうけど、昔は手作業。

     

    道具は大切にするひとやったけど、

    きっと、特別思い入れのある道具やったんやろう。

    割れた台を直して、反対側に新しい穴を彫って刃を入れて、使い続けたくらいなんやから。

     

     何度も金槌で叩かれて、潰れた角。 たくさんの木を整えた、木の台。

     

    手に馴染む滑らかな曲線。 この木には、父の時間が染み込んでいる。

     

    その上に、私の時間も重ねられていく。

     

     

     

     

     


    お正月は過ぎたけど干支のお話

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      私は戌年から干支を彫り始めたので、今年の酉で一回りした。

       

      12年前、所属していた組合で百貨店さんに出展させていただいていた。

      そのときに作り始めた干支。

      11月くらいには必要だったので、お盆が過ぎると「あぁ、干支やらなあかんなぁ・・」と頭を悩ませていたっけ。

      他の仕事をしながらずっと型を考えて、「これやっ!!」って見えたときに試作とか一切なしに作る私の干支。

      ひとつ出来たらそれを元に型紙を作って、数を彫るようにしていた。

      今はもう注文いただいた分しか作っていないので、型紙を作るほどでもない。

      手元に残す1個があるので、次作るときはそれが見本になる。

       

      12年前・・娘は小学生やった。ちっちゃかったよなぁ〜!それが今年成人式やもんなぁ〜。

      そう思うと、12年って長いなぁと思う。

       

      私の干支は、シンプルで、手に持ったときに触り心地がよい形を心がけて作っている。

      見ていて飽きないように・・と、子供さんのおもちゃにしてもらってもいいように・・と思って。

       

      私や兄姉は、父の彫ったうさぎをおもちゃにして育った。

      マジックで目を描いたのはたぶん私。裏側にもクレヨンで落書きしている。

      でも、怒られた記憶はない。

      父のうさぎは干支として彫られたわけではないやろうけど、このうさぎがいたから、私の干支はあんな形で生まれてきた。

       

      キズがついても落書きしても、それもいつか思い出になる。

      作ったひとがいなくなっても、今も一緒にいるような気がする。

       

       

      12年間彫り続けることが出来てほっとしている。

      「全部揃えたい」と言って集めてくれてはる方にも感謝している。

      一区切りやけどまた来年は新たな気持ちで、ひとつひとつ丁寧に彫ろうと思う。

       

       

       

       

       

       

       

       

       


      万歩計を買いました

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         袋に入って・・こんなコよくいますよね(笑)

         

         

        ずっとほしいと思っていた万歩計を、少し前に購入した。

        座りっぱなしの仕事、「歩かなあかんぞ」ってお医者さんに言われててもなかなか・・

        結果が目に見えるほうが頑張れるんちゃうかな?って。

         

        歩数、歩いた距離、消費カロリー、燃焼した脂肪の量、たくさんのことがわかるようになった。

        1万歩超したいからちょっと遠回りして帰ろう・・とかするようになった。

         

        土日、京都でも雪がたくさん降って、家から出ずにいた私。

        ポケットには万歩計。家事と仕事でちょこちょこ動くだけやと、びっくりするほど歩数が少ない。

        うわぁ〜、これはあかんわ〜!

        「頑張って歩こう」やなくて、まず「頑張って外に出よう」やな、と思った。

        結果が見えて、自分の意識が変われてよかった。

         

        今週は外出が続くので、たくさん歩けるかな。

         

         

         

         

         

         

         


        手彫り白檀ねじり玉ブレスレット

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            娘がいつもつけているブレスレット。私の作品です。

           

          成人式の日も、「お守りやし」とつけていってくれました。

          着物に合うかなぁ?と思ったのですが、違和感なくなじんでいて、嬉しかったです。

           

           娘がいつもつけているのを見て、娘の友達が注文してくれました。

          石が変わると、印象が変わります。

           

          ねじり玉の直径は8ミリから12ミリ。

          仏さまをお作りするときに出る白檀の細かい材で、ひとつひとつ手彫りで仕上げています。

          堅い白檀の木を指先でぎゅっと握りしめて削っていくのですが、ねじりの山部分が指に食い込んで痛くって・・

          指先がしびれて感覚がなくなってくるので、一度にたくさん彫るのは難しく、

          一日に1〜3個他の仕事にはさんで作って、彫り貯めています。

          木は削りたてのときが香りがいいので、

          注文をいただいた段階で新しく彫った玉と組み合わせて制作して、香りを楽しんでいただけるようにしています。

           

          貴重な木、手間のかかる彫り、すっと簡単に買える値段ではないと思うのですが、

          「ずっといいなぁと思ってた」と注文してくれたお友達。

          小学生の頃、娘が私の彫った髪留めとかを使ってたのも覚えてくれてるそうで、

          私にしても、その頃から知っているお嬢さんが大人になってお客さんになってくれたなんて、驚きやし嬉しいし・・

           

          柔らかな色合いは、可愛らしい笑顔の彼女によく似合うと思います。

          「いい香り〜♪」と喜んでくれてたと娘から聞きました。

          しばらくはつけ外しのときや動かしたときに、フワッと香ると思います。

          香りがなくなったあとは使い込むほどに艶が出て、飴色に育っていきます。

          上の写真と下の写真、同じ木なのにずいぶん色が違いますよね。

           

          ゴムが伸びたらいつでも取り替えます。

          そのときに育っている木に再会するのも私の楽しみです。

           

          私の作ったものたちが、

          日々の暮らしに寄り添って、

          気持ちを温かく、柔らかくするお手伝いが出来たらいいな。

          いつもそう願っています。

           

           

           

           

           

           

           

           

           


          ついに迎えた成人式

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             華やかに結ばれた帯。素敵な着付けをありがとうね。

             

            昨日、成人式を迎えた娘。朝早起きして二人で美容室へ。

            三人で賑やかにおしゃべりしながら、ヘアメイクは進んでいき、だんだん変身していく娘・・

             

            友達夫婦が車で迎えに来てくれて、次は我が家へ。着付けは家でしてもらう。

             

             

            娘のことを小さい頃から知ってくれていて、

            可愛がってくれているひとたちの手で綺麗にしてもらって、

            和やかで幸せな時間でした。みんなに感謝しています。

             

            成人式って、本人はもちろん嬉しいやろうけど、親も嬉しい日なんやなぁって思いました。

            娘の振袖姿を見て、今まで頑張ってきたご褒美もらえたように感じた私。

             

            とっても嬉しい一日でした。

             

             

             

             

             

             

             

             


            初詣、初歩き

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               伏見のお稲荷さんに初詣に行ってきました。

               

               

               帰り道、少し歩きたくなって疎水べりをブラブラと・・

               

               いつもはもっと上の方まで水があるのに、なぜかとっても少なくて。

               

               水中で青々としているはずの草たちが、乾いた絨毯みたいになっていて・・

               

              浅瀬で魚たちが風に揺れる葉っぱみたいに集まってるのを眺めながら、

              「川沿いの歩道がなくなるとこまで歩いてみよう」と決めて、

              橋にさしかかるたびに前方の景色を眺めて、「次はこっち側!」と、家並みや木々に惹かれる側に渡って歩いてみた。

              電車の中から所々見えてる道やったけど、歩いてみるのは初めてで、気がつけば京阪の墨染駅。

              伏見稲荷からは3駅歩いたことになる。

              そのあとまだしばらく道は続いて、なんだか終点っぽい広い場所と建物を超えると、通ったことのある住宅街の道に合流した。

              ちょうど墨染駅と丹波橋駅の真ん中くらい。「ここまで来たんやし、大手筋まで歩いてしまえ」

              年に一度、伏見税務署に確定申告に来た帰りに歩く道。古い町家もあったりして、けっこう好きな道。

              京阪丹波橋の駅前の筋で右に曲がって、前から気になってたパン屋さんを探してみた。

              無事発見してパンを買って、そこから先はまた通ったことのない道。

              古いミシン屋さんを見つけて思わず立ち止まったり、大きくてきれいなスーパー(外壁が酒蔵風で)に驚いたり。

              途中で、終わったと思っていた疎水がまた現れたのにもびっくりしたけど、もう川沿いの歩道はなくて。

              橋の上から水を覗き込んで、さよならを言って歩き続けた。

              大手筋商店街のどの辺りにでるんやろう?と思っていたら一番下の、納屋町商店街に合流する筋やって、

              そこから大手筋を買い物しながら上がっていって、伏見桃山の駅。

              結局伏見稲荷から5駅分歩いた。

               

              2日から5日まで家にこもっていたし、いい運動になったかな。

              本当は毎日歩かなあかんのやけど、仕事がのってると手を止めて外に出るのが億劫で。

               

              今日見た青空を思い出しながら、これから夜中まで仕事の時間。

               

               

               


              簡単なようで実は難しいことの先にある、楽しい世界

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                 以前作ったパソコンラックの高さを修正した。

                 

                5センチほど高さをあげて、棚板をつけて2段にしたかったので、

                天板と地板はそのまま使って、側面の板を新しくした。

                ひのきの角棒をのみで丸く削って、のこぎりで切って、ダボを作る。

                ドリルで開けた穴にボンドを入れて、ダボを差し込んで固定する。

                 

                自分で家具を作ったりする方、けっこういはると思うけど、

                ダボまで作る方は少ないかと思う(だって出来たものが売ってるもんね)

                娘は「お母さん、普通は作らへんねんで」と笑って言う。

                確かに、どの家にものみや彫刻刀があるわけではないよなぁ。

                 

                でも私は作る家具によって開ける穴の大きさも深さも違うから、それに合わせていつも自分で作っている。

                家具を作るときに当たり前のようにしている作業だけど、ふと、昔のことを思い出した。

                私も最初は丸く削れへんかったよなぁ〜って。

                 

                四角い棒の角を落とす。またその角を落として、だんだん丸く整えていく。

                4つの角を均等に。そうしないと綺麗な丸にはならへんから。

                木の目には逆正(さかまさ)があるから、

                すっと削れる角と、ひっかかって向きをかえてやらなあかん角とがある。

                逆なのに無理に削ったら、食い込んで深く削りすぎたりして丸い棒になってくれへん。

                刀を入れたときにすぐに気づいて、向きを間違えずに削れるようにならへんと。

                それに、削りくずも"ぶつっぶつっ"と途切れるんやなくて、カンナくずみたいに"すーっ"と長くつながるようにならなあかん。

                 

                木のことをよく理解して、

                道具もちゃんと扱えるようになって、

                はじめて整った丸い棒が出来上がる。

                その先に次の仕事があって、そのずっとずっと先に今、仏さんが彫れるようになった私がいる。

                 

                角を落として丸くする。

                ただそれだけのこと。でも、簡単に見えて、実は技術のいること。

                これが始まりやったよなぁ・・と、思い出していた私。今は簡単に出来るようになってて、

                そして、綺麗に削れることはとても楽しいことで。

                「木を彫ってみようかな」って思ってる方には是非、この楽しさを知ってもらって(これが楽しくなるまでの道のりも簡単ではないかもしれへんけど)その先に広がる世界にふれてほしいなぁと思う。

                 

                 

                パソコンラックはばっちり仕上がって、なんの違和感もなく元の場所にとけ込んだ。

                探してもサイズが見つからない家具は自分で作る・・これもウチでは父の代からの当たり前(笑)

                 

                 

                 

                 


                あけましておめでとうございます

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                   鶏ではなく鳳凰を彫ってみました

                   

                   

                  気持ちよく晴れて、暖かかった一日二日。のんびり過ごして、今日から仕事です。

                   

                  今年は酉年。私は年女です。干支も4巡目・・

                  一日に実家に行ったら、1巡目のお正月に神社の福引で当てた干支の置物が飾ってありました。

                  陶器の干支は変わらへんけど、私はずいぶんくたびれたなぁ(笑)

                   

                  それでも前向きに日々過ごしていきたいと思います。

                   

                  今年もよろしくお願いします。

                   

                   


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