どちらの腕にも力こぶ

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    ギコギコとのこぎり挽いて、平のみでザクザク荒彫りして。

    今日はけっこう力仕事やった。よしっ、頑張った!!

     

    大学生の娘は飲食業のアルバイトをしていて、ジョッキや鉄板を複数持って運んでるうちに筋肉質の腕になり・・

    「パフスリーブ着れへん〜(泣)」と嘆いている。

    「労働筋やん!かっこいいやん!!」ってなぐさめてる私。 親子で同じような腕になったなぁ(笑)

     

    私はパフスリーブはもう着たくないし別にいいんやけど、夏、電車でつり革持つとそれだけで力こぶ。

    袖が通らなくて着れへんかった長袖の服もあったなぁ。

     

    でも、たくましい腕は頑張って仕事している証やし、嫌やない。

    強くてかっこいい力持ちの母ちゃんでいたかった。

    母ちゃんも父ちゃんもひとりでやってたから、よけいにそう思ってたのかもしれない。

     

    月日は流れて、娘は成長して、腕周りも私と一緒くらいにたくましく育って。

    もう、守ってやらなくてもいいくらいになってるんやね。

     

    それでも「まだまだ負けたくない」っていう気持ちで仕事する。

    子育ては卒業しても、彫りたいものはたくさんあるから・・これからも頑張って、筋力キープで!

     

    次は、かっこいい祖母ちゃんめざそうか?

     

     

     

     

     

     

     

     


    集中!

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      ひとつ大きな仕事が仕上がって、一区切り。一週間ぶりにPCを開ける。

      私はスマホに換えてないし、携帯も少しメールのやりとりをするくらい。

      彫ることに集中すると、インターネットの世界からは遠ざかる。

       

      今回は最後の仕上げをしながら次の仕事に気持ちを整え、間一日身体も休ませてから、仕事場の掃除をした。

      少し遅くなったけどお雛様も飾って、仕事場が急に華やかになる。

       

      彫っているときにBGMをかけることはほとんどない。

      外から聞こえる音、それから自分が木を削る音、それらを聞きながら仕事をしている。

      道具を持ち替えるときの、彫刻刀の柄と柄が当たる「からん、からん」という音が好き。

       

       

       

      席を離れるとき、立ち上がって見下ろすこの光景が大好き。

       

      父の仕事風景は、いつも整っていた。

      まな板(仕事台)の上に整然と並べられた彫刻刀。使ったら元の場所に戻さはる。だから散らかることはない。

      私とはえらい違いや、といつも思い出す。

      でも、「あれ?どこやったっけ?」と、さっき使ってた彫刻刀をガサガサ探してるのは私らしいやと思っている。

       

      それでもひとつ大きな仕事が仕上がると、きっちり掃除する。それは父と同じ。

       

       

       

      私が彫ったものが、誰かの気持ちを支えるものになる。穏やかな時間を生み出す手助けになる・・

      それは作っている私自身にもとっても励みになることで、身の引き締まる思いで。

       

      だから次もそういう仕事が出来ますように!と、気合いを入れて。

       

       

       

       

       

       

       

       


      少し休憩

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         花のそばで寝ているにゃんこ。

         

         

         顔見知りのにゃんこは日なたぼっこ。

         

         

         うっすらと、緑の絨毯。 

         

        元気をもらって、また仕事。

         

         

         

         

         


        きれいやなぁ。

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          今日はJEUGIAカルチャーでのお仕事の日。

          四条大橋を渡って教室に向かう。

           

          最近、着物姿で歩いてはる観光客の方がたくさんおられる。

          お友達同士やカップルで着て、楽しそうに歩いてはる人と何人もすれ違う。着物レンタルのお店もずいぶん増えてるみたい。

           

          ふと前方をみると、着物姿の二人連れ、髪の毛結ってはる。舞妓さんや。

          私が仕事で四条河原町に行くのは午後2時前。祇園や先斗町が近いので、買い物してはったりする姿を時折見かける。

          白粉も塗ってはらへんし、着物の柄も控えめで上品で・・すっと街にとけ込んではるから、すれ違っても振り返って見てる人はほとんどいはらへん。みんな気づいてはらへんのやろか?と思ってしまうくらい。

           

          私も遠くから見てるだけやけど、ほんまにきれいで、お見かけすると「今日は良いことあった♪」と幸せな気持ちになる。

          厳しいお稽古やお仕事の合間のひととき、楽しい時間を過ごせはりますように・・と願いながら、遠くなる後ろ姿を見送った。

           

           

           

           

           

           

           

           


          育ててくれてありがとう

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            林サヨコさんのブログの写真に時々写り込んでいる針山は、私の作品。

            ケヤキの木で彫らせてもらった。

             

            大きさ、形・・希望を聞いて、最適な木を選んで・・

            納品させていただいて、2年と少しになるやろうか?

            それから実際に見てはいないけど、写真に写る木はどんどん艶を増していて、

            大事に使ってくれてはるんやなぁといつも嬉しく思っている。

             

            私の仕事は注文制作の一点ものが多いので、注文される方のイメージを聞かせてもらって、それに最適と思われる木を選んで、デザインも起こして何度か相談してそれから彫り始める。

            途中経過を見てもらって、イメージと違ってないか確認してもらうこともある。

             

            納得して、気に入って、長く使っていただきたいから。

            そうでないと、注文してくれはった方にも、木にも申し訳ないと思うから。

             

            お仕事されてる風景に一緒にとけ込んでいる道具。

            ウチにある道具たちもそうやけど、木のもんて、使い込めば使い込むほど自分色に育っていく。

            林さんとこへいったあの木も、これからも彼女の素敵な作品が生まれていく現場に立ち会っていってほしいな、と思っている。

             

             

             

             

             

             

             


            初午の日に

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               今日は初午。伏見のお稲荷さんで「しるしの杉」を授かってきました。

               

              お参りした帰り道、お正月に歩いたコースをまた歩くことに。万歩計も買ったことやし、どれくらいの歩数か測ってみよう。

              知らなかったんやけど、1月から3月は清掃のために疎水の水を止めているらしい。それで水が少ないんや。

               

               歩き出してすぐ、疎水の向こう岸にねこさん発見。 顔は見えなかったけど・・

               

               そのあとまた別のねこさん。「みゃ〜ん」って声をかけてくれたけど、「ごめん!何も持ってないねん〜」

               

               

               今日は鳥たちにもたくさん出会った。

               

              京阪墨染駅の手前で、線路の下をくぐり抜ける箇所がある。腰をかがめないと通れない低い場所。

              見上げると網目の向こうに線路が見える。

              「ここにいてたら電車のお腹が見えるんやなぁ」と思ったけど怖くて、踏切の遮断機の音が聞こえてきたから慌ててくぐり抜ける。

               

              墨染と丹波橋の中間くらいで疎水沿いの道が途絶える。そこから先は今日は違う道にしてみた。

              京都の道はだいたい碁盤の目になってるから、一筋違う道にしても、思いついた角で曲がってみても、目的地にはたどり着ける。

              その感覚でいるもんやから、昨年東京に行ったときに上野の辺りで見事な木立に惹かれて

              「もうひとつ向こうの角まで行ってみよう」なんて歩いてたら道に迷って(泣)

               

              丹波橋でお気に入りのパン屋さんに寄って、お店の横の通りを歩いてみる。ここも初めての道。

              伏見区両替町、銀座町。古い町家もたくさんあって、格子の木の木目を見ているだけで楽しくなる。

              そして驚いたのが、お地蔵さんがめっちゃ多いこと。

              前を通るとき軽く頭を下げて通って、しばらく歩くと「あれ、またいはる!」

              私の実家の辺(宇治市)では町内ごとに1体なんやけど、今日歩いた辺は100メートルも歩かへんうちに次のお地蔵さんが現れはるような感じで・・

              やがて、大手筋商店街のアーケードが見えてきた。今日は前より距離が短く感じたなぁ。

              駅5つ分、約1万歩。

              渡ってみたかった小さな踏切とか、曲がってみたかった角もある。またいつか、歩いてみよう。

               

               寒かったけど、彼岸桜はもう咲き始めていた。 

               

               

               

               

               


              つながっているもの

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                 塗料のビンに入っていたビー玉。綺麗なので捨てられなくて。

                 

                 

                「ちょっと仕上げするには切れ味が悪いなぁ」

                そう感じるときは、荒砥は使わず上げ砥(仕上げ用)だけで研ぎを済ます。

                刃先が欠けたりしている訳ではないし、荒彫り、中彫りなら十分な切れ味やけど、

                仕上げのときは削った面が濡れたように光らなければいけない。それには足りないとき、上げ砥でもう一度刃を磨き上げる。

                私が刃物を研ぐときに使う研ぎ板(砥石を置く板)は、父から譲り受けたもの。

                何十年使っていたものを私に譲って、自分はまた新しく作っていた父。

                使うときいつも父を思い出す。

                 

                ものごころついた頃から「あとを継ぐんや」と言っていた私。

                「女には無理や」と言い続けた父。

                 

                何年も、何回も繰り返されたその会話。

                最終的に同じ道に進むことを認めてくれた父は、必要なものを一緒に準備してくれた。

                 

                二人で新しく作ったもの。

                父が買ってきてプレゼントしてくれたもの。

                そして自分の使っている中から譲ってくれたもの。

                 

                愛用の品を、どんな気持ちで娘に託したんやろう。

                今も使うたびに考える。

                 

                 

                もし、我が子が同じ道に進みたいと言ったら・・

                娘にその気はなさそうやけど、自分に置き換えて考えてみることがある。

                 

                嬉しい気持ちと、「やめといたらいいのに」という気持ちと、

                きっと半々。

                だって、道のりはとても険しい。

                技術を磨くのは簡単なことではないし、気持ちはいつも張りつめてるし。

                 

                代々続いた職業ではない。

                木や道具を大切にする気持ち、気持ちを研ぎ澄まして作りあげること、

                いつかは誰かに伝えたいけど、それは我が子でなくてもいいと思う。

                 

                それよりも伝えてほしいこと・・

                いつか幸せに結婚して、

                生命をつないで、ずっと先で

                「ウチのご先祖さまで父娘で仏師やった人がいはって、この仏さんその人らが作らはったんやって」

                そんなふうに、つながって、残っていけたらいいのになぁ。

                 

                時折そんなことを考えながら仕事をしている。

                 

                父が譲ってくれた道具も、父が使い続けた道具も、今はどちらも私の手元に。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 


                冬の仕事場の思い出

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                  朝起きたら雪景色かと思っていたんやけれど、午前中は雨で・・

                  午後からは雪になったり雨になったり。

                  京都市でも北の方は雪なのかもしれないけど、ウチは南の方なので、少し暖かい。

                  夜は冷えて、明日の朝は雪景色やろうか?

                   

                  小さなオイルヒーターだけの仕事部屋の温度は上がらず、室温12度。

                  電気座布団にときどき手を挟みながら、木を削る。

                  鼻先が冷たくて(>_<)

                  でも、老眼鏡かけるようになってしまったから、防寒用にマスクをつけるとメガネが曇って仕事がしにくい。

                  まいったなぁ〜。

                   

                  父は火鉢で、ときどき手をあぶりながら仕事をしていた。

                  子供の頃その横で、火箸で炭をガサガサしたり、足した炭に火吹き竹で息を吹きかけたりするのが楽しかった。

                  六畳の仕事部屋は、仕事の手元を照らすオレンジ色の明かりだけ。

                  それも父の背中で半分くらい遮られて。

                   

                  ・・ほんまに、仕事場にばっかりいたんやなぁ〜私。

                   

                  さぁ、エアコンのある暖かい部屋での作業を終えて、また12度の仕事場に戻ろう。

                  私もいつか、火鉢がほしいなぁ。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   


                  毛引きと金槌

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                     ずっと使っている毛引きと金槌のセット。それと豆鉋。

                     

                    家が火事になる夢を見たとき、夢の中の私はこの道具を持って逃げようとしていた。

                    普段意識していなかったけど、それほど大事に思っているんだろう。

                     

                    父お手製の道具。竹で作られた金槌の柄。 東京の個展のとき、この曲線を「セクシーだ」と言ったひとがおられた。

                    この小さな金槌で毛引きを叩いて、刃の出す幅を調整する。

                     

                    きっと何度も手にとって握って振ってみて、

                    握りやすさ、叩きやすさのバランスを考えながら少しずつ調整して、削り出した柄の形なんやろう。

                     

                     小ぶりの毛引きは手にすっぽり収まって、使いやすい。

                     

                    いつ頃やったか覚えていないけど、私に譲ってくれた道具。

                     

                    仏さんになる木もあれば、仏さんを作る道具になる木もある。

                    どの木も皆、愛おしい。

                     

                     

                     


                    小さな花芽

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                       切り花の茎の下の方についている小さなつぼみ、これが捨てられない私。

                       

                      花瓶に挿すときに切ってしまうけど、お皿に水を入れて台所に置いている。

                       

                       

                      そしたら根が出たコがあって、鉢に植えてやったらだんだん大きくなって、3年目に花を咲かせてくれた。

                       

                      ますます捨てられなくなった私。

                       

                      秋に花が咲いて、ゆっくりゆっくり実が育っているのはピーマン?パプリカ?

                      種を蒔いた覚えはないんやけど、なんか芽が出たので育てていたら実がついて。

                       

                      仕事で張りつめた気持ちを癒やしてくれる植物たち。

                      暖かくなったら、みかんの種を蒔こうと思う。

                       

                       

                       

                       

                       

                       



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