月に二回、四条河原町にあるJEUGIAカルチャー京都で木彫教室をさせてもらっている。
オープン時から細々とやけど、続けさせてもらっている教室。
始めたときは小学校低学年やった娘も、大学生になった。
あの頃は16時に教室が終わると急いで帰っていたっけ。今は家で待っている人がいないので、ゆっくり出来るけど。
ウチの教室の特徴は、「彫りたいものを彫ってもらう」
ある程度の基礎を学んでもらったあとは、どんなものが作りたいか聞いて、それに合わせて指導していく。
あまり大きなものは作ってもらえないけど、トレーやアクセサリー、金魚や野菜・・皆さんいろいろなものを作ってこられた。
現在生徒さんは3人。それぞれ違うものを作っておられる。
順番に進み具合を見せてもらって、今日やることを指導して、それぞれが木に向き合う。
みんなが集中して木を削る音だけが響いている時間もあるし、
なんやかやおしゃべりしながら彫っているときもあるし。どちらにしろいつも和やかに時間が流れている。
私も誰かの作品をさわっているときもあれば、自分の作品をさわっているときもある。
じーっとみんなが彫っている手元に目を光らせてるわけではなく、自分も作業をしながら音を聞いて判断している。
木を削る音を聞いていたらうまくいっているかどうか大体わかるので、
ちょっと気になる音がすると手を止めて、生徒さんの手元を確認して必要であれば指導をはさむ。
「見て覚えることもあるんやけど、耳で覚えることもあるんですよ」
そう、ノコギリ挽くときの力加減、刃物研ぐときのスピード、木を削るときの刀のリズム・・
私はみんな父から学んだ。姿は見えなくても、奥の仕事部屋から聞こえてくるそれらの音で、上手に仕事が出来ているときの基準を知っていた。
その感覚が自分も同じ道に進んだときに、ものすごくプラスになった。
木の種類が違うと、削る音の質も変わってくる。
みんなが違う種類の木を削ってる音が、重なって響いてる教室。幸せな時間やなぁといつも思う。