木から感じること

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    仏さまを彫っていると、「あ、そろそろ白生地に包まなあかんな」と思う瞬間がある。

    手垢がつかないように、仕上げの段階に入ると布にくるんで持つんやけど、

    ここまで彫り進んだら・・っていうのは別に決まってなくて。

    でもなんか、感触が変わるっていうか、不思議なんやけど木から何かが伝わってくる気がする。

    木の塊から仏さまに変わらはる瞬間を、手のひらに感じているんやろうか。

     

    お父ちゃんもそうやったんやろうか?

    聞いてみたかったなぁ。

     

     

     

     


    春の花とにゃんこ

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        昨日は一日中家にこもって仕事。化粧もしなかった。

       

       

      朝から晩まで仏さんを彫って、頭の芯がじんじんしてた。今日は買い物に出たので花を探した。

       

      だんだん暖かくなってきて、あちこちでいろんな花が咲き出して。

       

       

       

       

       

       

       

       いつもの猫道。 ひなたぼっこのにゃんこ。

       

       

       花もきれいやけど、にゃんこもきれいやね。

       

       


      馬酔木の花

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         御香宮さんの馬酔木。この花を見るといつも、昔両親と三人でいった長浜を思い出す。

         

         

        結婚する年の2月やったと思う。日帰りのツアー旅行に申し込んで、長浜の盆梅展を見に行った。

        そのとき、大通寺さんやったかな?近くのお寺で馬酔木展をやっていて、そちらにも足を運んだ。

         

        お寺の日の当たる縁側で、二人腰掛けていた父と母。

        あのまま歳を重ねていくんやと思っていたら、その年の春に旅立ってしまった父。

         

        今年は二十三回忌。

         

         

         

         

         

         

         


        音で見分ける

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          月に二回、四条河原町にあるJEUGIAカルチャー京都で木彫教室をさせてもらっている。

          オープン時から細々とやけど、続けさせてもらっている教室。

          始めたときは小学校低学年やった娘も、大学生になった。

          あの頃は16時に教室が終わると急いで帰っていたっけ。今は家で待っている人がいないので、ゆっくり出来るけど。

           

          ウチの教室の特徴は、「彫りたいものを彫ってもらう」

          ある程度の基礎を学んでもらったあとは、どんなものが作りたいか聞いて、それに合わせて指導していく。

          あまり大きなものは作ってもらえないけど、トレーやアクセサリー、金魚や野菜・・皆さんいろいろなものを作ってこられた。

          現在生徒さんは3人。それぞれ違うものを作っておられる。

          順番に進み具合を見せてもらって、今日やることを指導して、それぞれが木に向き合う。

          みんなが集中して木を削る音だけが響いている時間もあるし、

          なんやかやおしゃべりしながら彫っているときもあるし。どちらにしろいつも和やかに時間が流れている。

           

          私も誰かの作品をさわっているときもあれば、自分の作品をさわっているときもある。

          じーっとみんなが彫っている手元に目を光らせてるわけではなく、自分も作業をしながら音を聞いて判断している。

          木を削る音を聞いていたらうまくいっているかどうか大体わかるので、

          ちょっと気になる音がすると手を止めて、生徒さんの手元を確認して必要であれば指導をはさむ。

           

          「見て覚えることもあるんやけど、耳で覚えることもあるんですよ」

          そう、ノコギリ挽くときの力加減、刃物研ぐときのスピード、木を削るときの刀のリズム・・

          私はみんな父から学んだ。姿は見えなくても、奥の仕事部屋から聞こえてくるそれらの音で、上手に仕事が出来ているときの基準を知っていた。

          その感覚が自分も同じ道に進んだときに、ものすごくプラスになった。

           

          木の種類が違うと、削る音の質も変わってくる。

          みんなが違う種類の木を削ってる音が、重なって響いてる教室。幸せな時間やなぁといつも思う。

           

           

           

           


          蓮の花が特別な訳

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            「どうして蓮の花は特別なんだろう?」

            ある人のそんな問いかけについて考えながら、何日か仕事をしていた。

             

             

             

            蓮の花が好きな人は多い。私も大好き。花が咲く頃にはあちこち見に行ったりもする。

            泥の中から茎を伸ばし、鮮やかに花を咲かせ、はらりと散っていく。

            葉の上を転がる水滴も可愛いし美しいと思う。

             

            いろんな植物があって、いろんな花がある。

            なのになんで蓮の花だけ特別?・・仏さんがのらはる花やから?

            そう考えたときに気がついた。極楽に生まれ変わったときにのる花やからかなぁ。

             

            あちら側にもこちら側にも咲いている花やから、特別に感じるんやないやろうか。

             

             

            仏さんの蓮台を彫るのが好きすぎて、今では蓮の花だけで作品にしている私。

            目指しているのは、現実の蓮の花と台座の蓮の花との中間の花。

            夢の中で咲いているような花・・そんな感じが表現出来ればと思っている。

             

            東京の個展のときにある人が

            「ウチは無宗教だからお仏壇はないけど、心のよりどころとしてこの蓮があったら素敵よね」

            と言ってくださった。

            いつまでも飽きずに眺めていられる、見ていると気持ちが落ち着く・・そんな花を咲かせていきたい。

             

            いつか蓮だけで個展がしたいと思っている。

            そのときに

            「私こんな花の上に生まれ変わりたい!」「私はこっちの花がいい!」

            そんなふうに見てくださる方がおられても、楽しいやろうな。

             

             

             

            11月、東京の不忍池にはたくさんの蓮があった。

            枯れた葉と茎と、青い空と高層ビル。初めて見る組み合わせで、とても不思議な景色に感じた。

            いつか花いっぱいの景色を見てみたい。

             

             


            疲れたときは少し歩こう

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                 膨らみ始めたつぼみ。

               

               

                葉っぱだけでもきれい。

               

                もちろん、花もきれい。

               

               

               伏見の御香宮さんの境内では梅が咲いて。

               

               このしだれ桜も、もう少ししたらたくさんの花に彩られる。

               

               

              空が青くて、葉っぱや花が生き生きしていると、それだけで元気をもらえる。

               

               

               

               

               


              寝ても覚めても

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                  お昼寝にゃんこ。気持ちよさそう。

                 

                 

                朝目覚めて、ぼーっと考えてた。「あの観音さまの台座、おもしろい形やったなぁ・・」

                夢の中で彫ってた楠の観音さま、ケーキみたいな台座にのってはった。

                夢の中でも彫ってる自分。相変わらず余裕がないなぁ。

                 

                いろんなお仕事をさせていただくけど、仏さまを彫るのはやっぱり一番緊張する。

                ひとが手を合わせて、思いをこめる対象になるものをお作りするというのは、特別なことのように感じているから。

                 

                ずーっと仏さんを彫っていた父はすごいなぁと思う。

                何十年も休みなく、この緊張感の中に身を置いていたのやから。

                 

                父は仏さんが夢に出てきはったことはほとんどない言うてたけど、

                お地蔵さん彫ってるときにお地蔵さんが出てきはったことがあって、そのとき夢の中で怒られたらしい。

                次の朝目覚めて、仕事場のお地蔵さんを見てみると削り忘れの箇所があったそうで、「これを言うてはったんや!と思ったわ」と言っていたっけ。

                 

                今日の夢には、父が彫った仏さんもたくさん登場した。

                私が見たことのない仏さんやった。

                一緒にいたのは26年。知らない仕事の方が断然多い。若い頃に彫らはった仏さんかな?

                 

                私はどれだけの数の仕事が出来るんやろう。

                どれだけのひとに喜んでもらえるんやろう?

                 

                さあ、気持ちを研ぎ澄まして仕事に向かおう。

                精一杯の仕事をしよう。

                 

                 

                 

                 

                 

                 


                ひな祭り

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                   大好きなフリージア。 春の香りですね。

                   

                  今日はひな祭り・・やけど、娘はサークルの合宿に出かけてしまって数日不在。

                  せっかくお雛様出したげたから、ひとりで何かしようかな。

                   

                   

                  1日に仕事で四条まで行って、ついでにデパ地下をのぞいたら、たくさんのひな祭り用のお菓子!

                   

                   この和菓子、初めて見ました。名前は「ひちぎり」

                   

                  買って帰って調べてみたら、京都のお雛菓子だそうで・・知らんかった、やっぱり私京都人やないわ(笑)

                   

                  よもぎ餅の上にあんこがのっているお菓子。

                  子供の頃、母とよもぎ摘みに行って、家でよもぎ餅作ったことを思い出した。

                   

                   

                   少しずつ暖かくなって、にゃんこも日だまりでくつろいでいる。

                   

                   

                   

                   

                   


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