白檀の小さい蓮華
小さな連肉と花びら。連肉の直径は1寸2分、花びらは3分5厘。
ちびにゃんを彫るときに使う三角の木。先端の細い三角部分は切り離す。
この小さい三角を、何かに使えへんやろうかと、ずっと考えていた。
薄くて小さい。思いつかないまま、何年も過ごしていた私。
ちびにゃんが生まれるたびに、増えていく三角。
ふと、思った。
「これ、花びらに使えへんやろうか?」
葺き蓮華は、彫った花びらを1枚1枚貼り重ねて仕上げていく。
一番最初に貼るのを1段目、ぐるり1周貼って、その次重ねていくのが2段目。
3段で完成なら「3段葺きの蓮華」、4段なら「4段葺きの蓮華」、5段なら「5段葺きの蓮華」。
それぞれの段ごとに、花びらの厚みやカーブを変える。
1段目は薄くていいので、使えるかも・・そう考えた。
連肉になってくれる木も、お地蔵さんの木を探しているときに見つかった。
お地蔵さんちょうど2体入ってはる大きさやけど、
お地蔵さんになるには、木目がはっきりしすぎている木。
その木に連肉になってもらうことにして、小さな蓮華に取りかかった。
この蓮華のように、蓮華だけでひとつの作品のときは、仏さんが乗らはらへんので花びらをすぼめて貼っていくけど、
今度の蓮華は仏さんが乗らはるように、「蓮台」として作っていく。
仏さんの台座の一部としての蓮華。
注文をいただいてるわけではないので、他の仕事の合間に挟んでいく仕事やけど、
あの小さな三角たちが小さな花びらに変身して、
いつか仏様の足元に、花開く。
そんな日を楽しみに、1枚1枚彫っていきたい。
- 2017.11.29 Wednesday
- 蓮華
- 13:06
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- by けっち