白檀の小さい蓮華

0

    小さな連肉と花びら。連肉の直径は1寸2分、花びらは3分5厘。

     

     

    ちびにゃんを彫るときに使う三角の木。先端の細い三角部分は切り離す。

     

     

    この小さい三角を、何かに使えへんやろうかと、ずっと考えていた。

     

     

    薄くて小さい。思いつかないまま、何年も過ごしていた私。

     

    ちびにゃんが生まれるたびに、増えていく三角。

    ふと、思った。

    「これ、花びらに使えへんやろうか?」

     

    葺き蓮華は、彫った花びらを1枚1枚貼り重ねて仕上げていく。

    一番最初に貼るのを1段目、ぐるり1周貼って、その次重ねていくのが2段目。

    3段で完成なら「3段葺きの蓮華」、4段なら「4段葺きの蓮華」、5段なら「5段葺きの蓮華」。

    それぞれの段ごとに、花びらの厚みやカーブを変える。

    1段目は薄くていいので、使えるかも・・そう考えた。

     

    連肉になってくれる木も、お地蔵さんの木を探しているときに見つかった。

    お地蔵さんちょうど2体入ってはる大きさやけど、

    お地蔵さんになるには、木目がはっきりしすぎている木。

     

    その木に連肉になってもらうことにして、小さな蓮華に取りかかった。

     

    この蓮華のように、蓮華だけでひとつの作品のときは、仏さんが乗らはらへんので花びらをすぼめて貼っていくけど、

     

    今度の蓮華は仏さんが乗らはるように、「蓮台」として作っていく。

    仏さんの台座の一部としての蓮華。

     

    注文をいただいてるわけではないので、他の仕事の合間に挟んでいく仕事やけど、

    あの小さな三角たちが小さな花びらに変身して、

    いつか仏様の足元に、花開く。

     

    そんな日を楽しみに、1枚1枚彫っていきたい。

     

     

     

     

     


    木がつなげてくれるもの

    0

      私の相棒の、ハートの和つなぎ。 二つのハートは、「木」と「私」。

       

      十数年使い込まれて艶の出た木肌のネックレスは、

      私の苦しいときも楽しいときも、いつもそばにいてくれた。

       

      だんだん歳を重ねてきて、

      「もうハートは可愛らしすぎるかなぁ」と思うときもある。

       

      でも、気合いを入れて出かける日、

      ちょっと気持ちが弱っている日、

      やっぱりお守りみたいに身につける。

       

      ひとつの木で、つながったふたつのハート。

      昨日はこのハートが、素敵なご縁をつないでくれた。

       

      一つは、念願の奈良での個展が決まったこと。

      探しててもなかなか見つけられへんかったのに、とても素敵なオーナーさんと空間に出会うことが出来た。

      私の和つなぎに目をとめてくれはって。

       

      もう一つは、

      道を尋ねてくれはった東京の方とのご縁。

      木彫に興味を持っておられるとのことで、ホテルまでの短い道のりの間に話が弾んで、とても楽しい時間を過ごさせていただいた。

       

      帰りの電車の中で、

      「なんてミラクルな日やったんやろう」と、幸せをかみしめ・・

      ご縁をつなげてくれた和つなぎに感謝している。

       

      これからも、

      笑ってたり泣いてたりする私に寄り添って、

      なんにも言わずに光を増していくんやろう。

       

      誰かのそんな存在になれるものを、たくさん作り続けていきたいと思う。

       

       

       

       

       

       


      仕事の合間に

      0

          お茶の実。ころんと丸くて可愛らしい。

         

         

        彫ることに集中して、また更新がゆっくりになっています。

        「市内の観光地はえらい人なんやろうなぁ〜」と思いながら、すっかり寒くなった仕事場で木と向き合う日々。

         

        疲れたら、近所のねこ道へ。

        何匹かに会えるときもあれば、誰にも会えないときも・・

         

        気になっていることが・・

        大吉と同じキジトラ腹白の、顔見知りの雄にゃんこの顔をずいぶん長いこと見ていなくって。

        「みぃさ〜ん!」って呼ぶと、

        「みゃ〜〜ん」ってとっても可愛い声で返事してくれてた雄にゃんこ。

         

        みぃさんには会えないけど、みぃさん柄のにゃんこは数匹。

        みぃさんの子供なんかなぁ?といつも思って見ているけれど、このコ達とは挨拶出来るほど仲良しではなくて。

         

         

        出来ることなら、連れて帰って暖かいコタツでとろけさせてやりたい・・と、何匹のコに思ったやろう。

        そうしてやることが出来ずに、何匹のコと会えなくなってしまったやろう?

         

        大吉を見送って早9年。

        頑張れ私!!と言い聞かせ、今日もしっぽにゃんこの木出しと仕上げ。

         

         

         電車に乗って出かけなくても、顔を上げればたくさんの綺麗な葉っぱたち。

         

         

        美しく、潔く。散ったあとには春への準備。


        今日見た景色

        0

          今日は仕事で河原町御池まで。 川端通りから見た鴨川。

           

           

           木屋町通りも四条下がると人も少なく。 

           

           

          川沿いの桜の葉っぱは散っていて、モミジはまだ色付き始めたところで。

          「うわぁ〜っ、きれいやなぁ〜」という紅葉には出会えなかったけど。

           

           七条の手前の橋、夕暮れの空に京都タワー。

           

          今日歩いた歩数、14799歩!

           


          今も覚えていること

          0

            今年は桜の葉っぱがあっという間に紅葉して、あっという間に散っていったように感じます。

             

            秋の観光シーズン、紅葉を見にたくさんの人が京都を訪れてはります。

            人混みが苦手で・・見所満載の京都にいながら、あまり出かけることもなく・・

            この間出かけた知恩院界隈でもう満足してしまっています。

             

             

            昨日買い物に行った先で、年賀状の印刷受付看板を見かけました。

            下の方、喪中ハガキのところに「ペット喪中ハガキ」を見つけびっくり。

             

            でも私も大吉が亡くなった年の暮れ、

            「気持ちは喪中やんなぁ・・でも人間やなくて猫やしなぁ・・」

            と思いながら、年賀状を書いていたのを思い出しました。

             

            同じような思いのひとがたくさんいはって、ついにこんなハガキが出来たんやなぁ・・

             

            ふと気がつくと、人生で大吉と一緒に生きた時間より、一緒やなかった時間の方が長くなってしまってました。

            私が高校生のときに連れて帰ってきて、22年半一緒やった大ちゃん。

            今も側にいてくれたとしたら30歳!立派な化け猫やなぁ(笑)

             

            今もあの毛並みの感触を覚えています。

            そしてそれを思い出しながら、たくさんねこを彫り続けています。

             

             

             

             

             

             

             

             


            秋の京都で

            0

               知恩院三門と、色付き始めた木々。

               

              12日まで秋期京都非公開文化財特別公開で上がることが出来ます。

               

               

               

              参道の大きな木に、小さなツタの葉っぱ。

               

               

              足元の石畳。これも職人さんの仕事。 きれいやなぁと思う。

               

              お寺のお堂も、こうした石の配置も、

              名も残っていないたくさんの職人さんが淡々とこなして造り上げたもの。

               

               

               

              今も生き生きと葉を茂らす大木と、

               

              柱になって力強く支える大木と、

               

              どちらも私ら人間よりもずっとずっと長生きで。

               

              人と同じで、尊い生命で。

               

               

              気持ち引き締めて仕事しようと、改めて思いました。

               

               

               


              1

              calendar

              S M T W T F S
                 1234
              567891011
              12131415161718
              19202122232425
              2627282930  
              << November 2017 >>

              selected entries

              categories

              archives

              recent comment

              • おりんを包み込む蓮の花
                setsu
              • おりんを包み込む蓮の花
                corin
              • つながる思い
                setsu
              • つながる思い
                Sayoko
              • 黒檀の蓮華
                setsu
              • 黒檀の蓮華
                rico
              • 白い花
                setsu
              • 白い花
                マリ
              • 雨降り
                setsu
              • 雨降り
                マリ

              recommend

              links

              profile

              search this site.

              others

              mobile

              qrcode

              powered

              無料ブログ作成サービス JUGEM