動き出した時間
きれいな木目。 欅のアクセサリートレー。
今年に入って、何年も仕上げずに置いてあったものになぜだか目がいって。
このトレーもそう。
彫り出しの足付きにしようと思って、中側から彫り始めたけど外の形が定まらなくなって・・
手が進まずに中途半端で止まったまま、小さな木たちを入れて仕事場で使っていた。
それがなんだか急に彫りたくなって、
彫り始めたらサクサク進んで、あっという間に形になっていく。
何年も置いてあったから木もよく乾いて、最初に取りかかったときよりもずっと軽い力で彫れる。
時が満ちて、形が定まったんやろうなぁ。
ということは、待っているひとが出来たということかな?
いつも、
「このコはどんなひとの所にいくんやろうなぁ」と思って仕事をしている。
私の役目は、「人」と「木」の橋渡し。
きっとこの木目に心奪われるひとがいてはるんやわ。
この木の魅力が一番溢れ出る姿に仕上げてあげへんと。
この木と誰かが出逢う瞬間に立ち会えるのを楽しみにしながら、
動き出した木の時間に、刃物を持つ手を添えていく。
- 2018.01.31 Wednesday
- 作品
- 20:02
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- by けっち