随心院での出会い、如意輪観音さま
世間では10連休の最終日。痛めている指を休ませたくて、思いきって外出してきた。
向かった先は随心院。春期京都非公開文化財特別公開の最終日。
子供の頃から何度も訪れているけれど、本堂にお参りした記憶がない。
小野小町の化粧の井戸や、梅園の記憶だけ。
「初めまして」の気持ちでお参りさせてもらう。
中に入ると、随所で説明してくれはる人がおられて、
興味深くお話を聞きながら奥へと進んでいく。
お庭に面した所は撮影OKとのことで撮らせてもらうけれど、ついつい資料写真ばかりになってしまった。
「こんな唐草彫ってみたいなぁ」と。
その後本堂の中へ。
たくさん並んでおられる人の列について、内陣にお参りする。
中心の御本尊のお厨子、
開いた扉の陰になりすぐ傍にいくまで仏さまのお姿は見られない。
傍までいって驚いた。
想像以上に大きな如意輪観音さま。
涼やかな目元に、均整のとれたお身体。
指先のこなしに思わず感嘆の声がもれる。
特に足指、見とれてしまった。
あまりにも素晴らしい仏さまに心奪われ、
その後見た襖絵は頭に入ってこなかった。
あまりちゃんと下調べせずに、ふらりと訪れた今日。
手を伸ばせば届きそうな距離で、お会いすることが出来て幸せやった。
普段訪れても扉は閉まっていて、
もし開いていても内陣まで入れることはないとのこと。
今日来られてほんまに良かった。
・・父は見たことあったんやろうか?
ふと思った。実家からそれほど遠くないこのお寺、一緒に訪れたことも何度かあった。
見てなかったんやったら、見せてあげたかったなぁ。
出来れば一緒に、見たかったなぁ。
仏さんを彫ることは、とても苦しい。
私にとっては、
とてもとても苦しい作業になる。
それでも、
素晴らしい仏さんに出会う度に思ってしまう。
「こんなふうに彫りたいなぁ」って。
自分の腕の未熟さをもどかしく思いながら、
それでも必死に、
これからも彫っていくんやろうな。
ほんまに苦しいのに、やっぱり彫りたいって思ってしまう自分にあきれながら。
「お父ちゃんの娘やから、仕方ないわ」って、
諦めながら。
- 2019.05.06 Monday
- 仏さま
- 19:46
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- by けっち