2019年もあと少し

0

    買い物に行く途中で、水浴びしている雀の群れを見かけた。

    「うわっ、寒そう!」思わず声が出る。

     

    もう少し先の街路樹ではふくふくに膨らんだ雀たち。

    また、ふくら雀のブローチ彫りたいなぁ。

     

     

    私は明日が仕事納め。

    31日、1日と休んで、二日酔いでなければ(笑)2日から仕事します。

     

     

    今年もありがとうございました。

    たくさんの新しいご縁をいただいた一年でした。

     

    来年も精進していきますので

    どうぞよろしくお願いいたします。

     

    皆さま良いお年をお迎えください。

     


    小さくて愛おしいもの

    0

      年の瀬に、小さなボケの木を我が家に迎え入れました。

       

      私はホームセンターが好きで(木材や工具を見るのが楽しくて)

      特に買い物がなくても足を運ぶことがあるのですが、

      園芸コーナーに並んでいた小さな鉢に一目惚れ。

      幹のひねり具合が可愛らしいなぁ〜と。

       

      でも、その日は買わずに帰りました。

       

      狭いベランダ、なるべくものを増やさないように・・と心がけています。

      今いるコたちが元気で、株分けで鉢が増えたりするからです。

       

      それに、植物も生き物、

      上手に育てたら、猫より長生きします。

      自分よりも長生きすることもあります。

       

      小さいから、安いからって簡単に手に入れるのはためらわれます。

      責任持って大事に育ててやらないと。

       

      本当に手元に置きたいのか?

      ひと呼吸おいて考えました。

       

      で、やっぱり傍にいてほしい、

      ご縁があるならまだ売れずに残っているはず・・と、3日後にまた見に行きました。

       

      残っていました!

      連れて帰って、用意していた鉢に植え替えました。

      数は少ないけど蕾もついていて、花が咲いてくれるのが待ち遠しいです。

       

       

      本当は白梅も欲しいのだけれど、「このコや!」と思う木に出逢えずに何年も過ごしています。

      ボケの盆栽も、昔家にありました。

      白梅も、大きな鉢でありました。たぶん私が生まれる前からあったんやと思います。

      娘が生まれた年には、一輪咲いてた花と一緒に写真を撮りました。

       

      どちらももう枯れて、残っていません。

      父が逝ってしまってからずいぶん年月が経ちました。仕方のないことやと思います。

       

      ささゆり、春蘭、黄梅、そしてボケ、

      みんな父との思い出の植物たちです。

       

       

      花が咲く頃、私は何を彫っているんやろうなぁ。

      時々小さな幹を撫でながら、気持ち整えながら、頑張って仕事しているんやろうなぁ。

       

      このコらの為にも、頑張って仕事しようと思います。

      大切に育てていきます。

       

       


      ひと区切りつきました

      0

        香合仏、無事に納まりました。

         

        17日の夕方に仕上がり、終わってホッとしてその直後に熱を出し・・

        翌日は年内最後の木彫教室。

        気合いで一晩で熱を下げて仕事に行き、晩にはまた熱が上がってダウン。

        それでも納品の日までにはなんとか熱が下がり、無事にお渡しすることが出来ました。

         

        今回お渡しした方は、昨年の「LIFE〜夢のカタチ〜」の放送を観て注文してくれはった方。

        今まで私が仏さまを彫らせてもらってきた方は、

        何年ものおつき合いがあるお互いよくわかり合えている方ばかりだったので

        正直不安でした。

         

        でも、

        私が父の仕事、思いを受け継いで仏さまを彫っているということにご自身の体験を重ねて

        「この人に彫ってほしい」と思ってくれはったとお聞きして、

        「あぁ、そういう角度から見てくれはったんやなぁ」と、とても嬉しかったです。

         

        跡を継いで続けていくことの難しさ、大切さを知っておられる方とご縁をいただいて、

        「大切にします」と言っていただきました。

         

         

        父の娘で良かったと、またあらためて思いました。

         

        そして、私が大切にしている思いを

        観ている方に的確に伝えてくれはった「LIFE」の皆さんに、あらためて感謝しました。

         

         

         

        小さな仏さまを彫るのに使うのは、小さな道具ばっかりで。

         

         

        これらの彫刻刀を使って、息を詰めて衣紋の曲線を彫りながら

        「この1ミリ幅のなめらかな曲線を彫るために、私はどれだけの時間を積み重ねてきたんやろう?」

        などと自分の来た道を振り返っていました。

         

        研ぎが悪いと話にならへんし、

        木のことをよくわかってないときれいな曲線は彫れへんし。

         

        とにかく、たくさんの木と道具と向き合う時間があって、

        今この1本の線が彫れる自分がいるんやなぁ・・と。

         

         

        「仏さまのお顔が見たいなぁ」と思ってくれてはった方もおられるかと思いますが、

        私がお作りする仏さまは、個人の方の念持仏です。

        お寺さんなど皆さんが拝まはる場所にお納めするものではありませんので、

        画像は載せないようにしています。

         

        自分が作ったものでも、自分のものではない。

        そう思っていますし、執着もないです。

         

        行った先で、そのひとに寄り添って仲良く暮らしてくれたらそれで幸せです。

         

        職人なんて、そんなもんやないでしょうか。

         

         

         

        さぁ、まだまだ仕事は山積みです。

        少し手と気持ちを休ませたいと、「気分転換に染木の仕事をしています」とお友達に話したら、

        「気分転換も彫ることなのね」と感心されました(笑)

         

        彫りながらいろいろまとめて、

        決まっていることをまた順番にお知らせしていきますね。

         

        よろしくお願いいたします。

         

         

         

         

         

         

         

         


        「あきらめる」ということは

        0

           

           今、手元には三つの香合仏。

           

          一つは父が彫ったもの、

          一つは20代の頃自分が彫ったもの、

          もう一つは、今自分が彫っているもの。

           

          どれも大日如来さま。

           

          香合の大きさも彫りの深さも違うから、似せて作るわけではなくて参考にする程度。

           

          レリーフは限られた厚みの中で立体的に表現しないといけないから、彫りの加減が難しい。

          すべてを彫るわけやないけれど、奥行きが感じられるように・・

          今作っている大きさに一番合う表現は・・?と、探りながら刀を運ぶ時間が続く。

           

          他の仕事と違って、仏さまの仕事はスッスッと進んでいっては来れへん。

          手が止まってしまうことも何度もある。

          じっと眺めて、考える時間が続く。

          私にとっては必要な時間なんやけれど、

          そんな時間が多くなると気持ちが焦る。

           

           

          「あ〜、お父ちゃんがいてくれたらなぁ〜」と思う。

           

          そやけど、

          もし父がいてくれたとしても、

          手助けして欲しいわけではない。

           

          そんなんしてもらったら、

          私の仏さんやなくなってしまう。

          それは嫌や。

           

          ・・苦しくて泣きながらそんなこと考えて、

          その答えにたどり着いて、

          やっと、今回もあきらめがついた気がした。

           

           

          それでも

          もしも父が今傍にいてくれて、

          この彫りかけの仏さんを見せたとしたら、

          なんて言うてくれるんやろう?

          そんなふうに思ってしまう。

           

          きっと、直接的に良い悪いは言わんと、なんか哲学的な物言いするんやろうなぁ。

          何でも「自分で考えてみ」って言うひとやった。

           

          でもきっと、最後に笑って

          「まぁ頑張り」って言うんやろうなぁ。

           

           

          同じ道で生きるものにしか

          わかりあえへん気持ちがあって、

          きっと私は父とそれを共有したいから、だから「いてくれたらなぁ」と思うんや。

           

          ひとりぼっちで仕事しているから。

           

           

          私がこの道に戻ったときには父も、他の言葉の通じる職人さんたちも他界していて、

          ずっとひとりで仕事してきた。

           

          探したら誰かいはったのかもしれない。

          でもそれをせず、

          ひとりを選んだのも自分やった。

           

          そやから仕方ない。

          自分で決めたことやと

          またあきらめる。

           

           

          「職人やから、注文きたら何でも彫らなあかん」

           

          父の言葉を思い出す。

           

          待っていてくれてはるのは、

          私の彫る仏さま。

          喜んでもらえるように、精一杯の仕事をするだけ。

           

          トンネル抜けて、

          刀切れが戻ってきた。

           

           

          あるひとが教えてくれた。

          「『あきらめる』っていうことは『あきらかにきわめる』っていうことなのよ」

           

           

          「あのひとの娘やから、仕方ないです。もうあきらめてます」

          多分そんな話をしたときやった。

           

           

          大変なことは多いけど、

          逃げずに、

          ひとつひとつあきらめていけたらいいなと思う。

           

          これからも。

           

           

           


          カレンダーのページををめくって

          0

            今年も最後の一ヶ月になりました。

             

            気持ちは焦るけど、目の前の仕事に集中・・です。

             

            拡大鏡をかけているから大きく見えるけど、

            実際には0、何ミリ単位の仕事で、なかなか進んでいきません。

             

            苦しい時間が続きます。

             

            それでも、

             

             

            「大丈夫、大丈夫」

            花月の蕾がそう言うてくれてるような気がします。

             

             

            急に寒くなりましたね。

             

            風邪などひかれませんように、

            皆さまどうぞご自愛ください。

             

             

             

             


            1

            calendar

            S M T W T F S
            1234567
            891011121314
            15161718192021
            22232425262728
            293031    
            << December 2019 >>

            selected entries

            categories

            archives

            recent comment

            • おりんを包み込む蓮の花
              setsu
            • おりんを包み込む蓮の花
              corin
            • つながる思い
              setsu
            • つながる思い
              Sayoko
            • 黒檀の蓮華
              setsu
            • 黒檀の蓮華
              rico
            • 白い花
              setsu
            • 白い花
              マリ
            • 雨降り
              setsu
            • 雨降り
              マリ

            recommend

            links

            profile

            search this site.

            others

            mobile

            qrcode

            powered

            無料ブログ作成サービス JUGEM