香合仏、無事に納まりました。
17日の夕方に仕上がり、終わってホッとしてその直後に熱を出し・・
翌日は年内最後の木彫教室。
気合いで一晩で熱を下げて仕事に行き、晩にはまた熱が上がってダウン。
それでも納品の日までにはなんとか熱が下がり、無事にお渡しすることが出来ました。
今回お渡しした方は、昨年の「LIFE〜夢のカタチ〜」の放送を観て注文してくれはった方。
今まで私が仏さまを彫らせてもらってきた方は、
何年ものおつき合いがあるお互いよくわかり合えている方ばかりだったので
正直不安でした。
でも、
私が父の仕事、思いを受け継いで仏さまを彫っているということにご自身の体験を重ねて
「この人に彫ってほしい」と思ってくれはったとお聞きして、
「あぁ、そういう角度から見てくれはったんやなぁ」と、とても嬉しかったです。
跡を継いで続けていくことの難しさ、大切さを知っておられる方とご縁をいただいて、
「大切にします」と言っていただきました。
父の娘で良かったと、またあらためて思いました。
そして、私が大切にしている思いを
観ている方に的確に伝えてくれはった「LIFE」の皆さんに、あらためて感謝しました。
小さな仏さまを彫るのに使うのは、小さな道具ばっかりで。
これらの彫刻刀を使って、息を詰めて衣紋の曲線を彫りながら
「この1ミリ幅のなめらかな曲線を彫るために、私はどれだけの時間を積み重ねてきたんやろう?」
などと自分の来た道を振り返っていました。
研ぎが悪いと話にならへんし、
木のことをよくわかってないときれいな曲線は彫れへんし。
とにかく、たくさんの木と道具と向き合う時間があって、
今この1本の線が彫れる自分がいるんやなぁ・・と。
「仏さまのお顔が見たいなぁ」と思ってくれてはった方もおられるかと思いますが、
私がお作りする仏さまは、個人の方の念持仏です。
お寺さんなど皆さんが拝まはる場所にお納めするものではありませんので、
画像は載せないようにしています。
自分が作ったものでも、自分のものではない。
そう思っていますし、執着もないです。
行った先で、そのひとに寄り添って仲良く暮らしてくれたらそれで幸せです。
職人なんて、そんなもんやないでしょうか。
さぁ、まだまだ仕事は山積みです。
少し手と気持ちを休ませたいと、「気分転換に染木の仕事をしています」とお友達に話したら、
「気分転換も彫ることなのね」と感心されました(笑)
彫りながらいろいろまとめて、
決まっていることをまた順番にお知らせしていきますね。
よろしくお願いいたします。