静かな午後に

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    昨日、一昨日と、外で仕事やった。今日は家で仕事。

    雨が降ったり止んだりの午後。外も暗く、子供の声も聞こえてこない。

    まだ少し寒い仕事場で、猫を彫る。

     

    楠の木を握りしめ、刀を走らせる。

    すべすべした木、緩やかな曲線。

    手のひらで温められた木の感触は、手の中に子猫がいるような気持ちにさせてくれる。

     

     

    猫の毛並みを撫でるように彫刻刀で木を削りながら、大吉や何匹かの猫たちを思い出す。

     

    私の彫った猫に触れながら、大好きなコの顔を思い浮かべてもらえたら・・

    彫り手としてとても幸せなこと。

     

    しっぽの長いコ、短いコ。

    すらっとしたコにふっくらしたコ。

     

    お地蔵さんが1体1体お顔が違うのと同じで、1匹1匹みんな違う。

    いろんなひとに可愛がってもらいたいし、

    いろんなひとをあったかい気持ちにしてほしい。

     

     

     

     

     

     


    5月の個展に向けて

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      急に暖かくなって・・花粉も多いみたいですね。

       

      去年はギリギリやった確定申告も今年は早めに済ませ、5月の個展に向けた準備を進めています。

      今回は少人数でワークショップも出来ればいいなぁと、考え中です。

       

       

      私は個展の会場で実演していることが多いのですが、

      お客様から「木彫って、学校の図工の時間でした版画ぐらいしかやったことない」と言う声をよくお聞きします。

      授業で使っていた版木は、ベニヤ板の場合もあったと思いますし、

      彫刻刀の切れ味も違います。

      刃が欠けたり切れ止んだりしても研ぐわけでもないし、

      木の逆目正目に気を配りながら彫っていくわけでもありません。

      そこまで指導してくれる先生はなかなかいはらへんと思います。

      だから、「ガリガリ削ってた」と皆さん言わはります。

       

      私は細々と木彫教室もやっているのですが、

      生徒さんが「先生は削る音が違う。聞いてて気持ちがいい」と言うてくれはることがあります。

       

      音が良いのは、刃物の切れ味が良いから。

      それと、木が気持ちの良い向きに削ってやっているから。

      しっかり研いだ彫刻刀で正しい目の向きに削ってやったら、「ガリガリ削る」ことにはなりません。

      そして削った面もきれいに光ります。

       

      「えっ!?木を削るのってこんなに気持ちいいの?」って思ってもらえたら嬉しいなぁ〜と。

      それと、木彫教室のお話をしたときに、

      「やってみたいけど平日の昼間は仕事やし無理・・」と言う方もおられます。

      継続してお稽古に通うのは難しい方でも、1日だけでも楽しんでいただければ嬉しいなと思っています。

       

      私は生まれたときからずっと、木に触れながら過ごしてきました。

      小学生のとき、父の仕事場で彫らせてもらった木の感触も、握った刃物の柄の感触も、今も忘れず覚えています。

      そして、力加減がわからずに、見本に彫ってくれた父の線のような深くて真っ直ぐな線が彫れなかったことも。

       

      私も始めはそんなふうでした。

      たくさん練習して修行して、今は木と話しながら仕事が出来るようになりました。

      たくさんの経験・・はもちろん大事やけれど、

      道具の状態や削る向きで変わってくることも多いです。

      木が好きなひとに、木と仲良くする時間を過ごしていただきたいです。

       

      詳しいことはまた決まり次第お知らせしますね。

       

       

       

       

       


      繰り返す季節

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        仕事用の写真を探してSDカードのデータを見返してたら、猫と植物の写真の多さに笑ってしまった。

         

        なつかしい姿も・・

         

        いつも東本願寺の屋根でかっこいい姿を見せてくれてたなぁ。

         

         

        大好きなみぃさんの写真も、何枚も出てきた。

         

         

         

         

         

        去年見た花。

         

        繰り返す季節のたびに、「きれいやなぁ」とレンズを向けている私。

        あとひと月もすればまた桜の季節。

         

         

        今日、生協でとうもろこしを見つけてびっくり!沖縄産って書いてあった。

         

        ちょっと小ぶりで、粒も不揃い。でも美味しそう。2本で98円!!

         

        今夜はとうもろこしご飯にしよう。

        バイトはしごして帰ってくる娘に、熱々をバター醤油で食べさせてやろう。

         

         


        紅梅と黄梅の花

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           少しずつ暖かくなってきましたね。紅梅がきれいです。

           

           

          「外出てや!!」と言い置いて出かけた娘。

          「明日の朝のパンが1枚しかないから、今日は大丈夫、出かけるわ」と答えたものの、

          もう少し、キリになるまで・・と彫っていたら午後7時過ぎ。

          もう頭の中では、限られた食材で晩ご飯を何にしようかと考えている。

           

          午後8時、集中力が切れてきた。諦めてご飯の支度。

          結局出かけへんかったなぁ。

           

           

          まだやらなあかんことは山積みで、カレンダーを見つめてため息が出る。

           

           たぶん3年ぶりに咲いてくれた黄梅の花。嬉しいなぁ。

           

          外へ行かなくても、春の気配。

          明日はちゃんと、歩きに行こう。

           

           

           

           

           

           

           


          二方屋さんのおりん

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              最近、時々お煎茶を入れて飲んでいる。

             

            そのときは必ず父と一緒に。

            その昔、小学生の私に美味しいお茶の入れ方を教えてくれたのは、父やった。

             

            仕事場の写真の前にお供えして、おりんを鳴らす。

            向かい合って座って、お茶を飲む。

             

             

            数年前の「響展」で、会場中のおりんを鳴らして聴き比べて選んだ1寸4分のおりん。

             

            台座はもちろん自分で彫った。

            蓮にしようと思ってたんやけど、木目がきれいやったからシンプルな形に変更した。

            正絹の巾着の生地も、渋めを選んで。

            使い込んでくるうちに、台座も、おりんも、いい感じに育ってきている。

             

            集中して仕上げてしまわなあかん仕事があるのに、心がざわざわしているとき、

            そんなときもおりんを鳴らす。

            二方屋さんに出会うまで、

            おりんをそんなふうに使うなんて考えもしなかった。

            個展をしたギャラリーのオーナーさんが引き合わせてくれはらへんかったら、

            きっと今も知らずに過ごしている世界やったと思う。

             

            使い込むほどに音が良くなっていくと言うてはったから、

            今の音は、最初に「これやっ!!」と思ったのとは違う音になってるんやろうなぁと思う。

            それでも、変わらないことなんかないんやし、

            私が彫ってる木たちも、使い込むことでどんどん変わっていくんやし。

             

            昨晩、耳元で小さく鳴らしてみた。

            どうしても鳴らしたかったけど、夜中やったんで。

            このサイズは台座に固定されているから、

            そういうことも出来るんやと今さらながらに気がついた(笑)

             

            自分の中に音が響く。

            波が寄せるように、音が寄せて、気持ちのざらつきを削り取ってくれた。

             

             

            部屋に鳴り響くとき、

            お墓参りで青空の下、風に流れて広がっていくとき、

            耳元で身体の中に響くとき・・

            小さなひとつのおりんが、そのときそのとき役目を変えて、響き方を変えて、そばにいてくれる。

             

            昔ながらの製法で丁寧に作り上げて、お客様に丁寧に伝えていってはる姿を見ているから、

            「必要なひとに見つけてもらえますように」って祈ってる。

             

            私もこのおりんに出会えて良かった!と思っている一人やから。

             

             

             

             

             

             


            私の見ている景色を伝えたい

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              彫っていて時々思うこと。

              自分の目がカメラになっていて、彫っている手元が撮影出来たら面白いやろうに・・

               

              子供の頃、仕事している父の手元を飽きずに眺めていた。

              木を削る音、木くずを払い飛ばす父の息づかい。ただ木くずに触れているだけでも楽しかった。

              こんなん見るの好きなひとやったら、きっと楽しいやろうになぁと思う。

               

              今、5月の個展のDM作製に取りかかっていて、彫っている手元の写真を使うことにした。

              で、私のイメージしている写真は、私の目線のアングル。

              難しいよなぁと思っていたら、

              娘が背後にまわって、私の顔の前にカメラを構えて撮ってくれた。

               

              娘やからこそ、撮れる写真。

              何枚か撮ってもらったけど、最初の1枚が一番良くて、

              夜やったから「もう一度昼間に撮って」ってお願いしてたら翌日指を切って(笑)

              「これはもう、あの写真でいいやろ、ってことなんかなぁ」と二人で話してたんやけど、

              まぁ、撮ってみよかと絆創膏外して。

               

              でもやっぱり、最初の1枚が一番良かった。

              その写真で作っていこうと思う。

               

              娘がいてくれて良かった。

               

               

               


              おかえりなさい

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                 日だまりでまったり。

                 

                 

                今日は3日ぶりに外に出た。

                娘は大学の友達と2泊3日で旅行中。

                「いってらっしゃ〜い」と送り出した日から玄関のチェーンも外すことなく・・

                今日出かけへんかったら、帰って来た娘が家に入れなくてショックを受けるとこやった(笑)

                 

                どうしてるんかなぁ?と思わないわけではない。

                けど、

                ウチの母娘には、SNSではつながらないという暗黙のルールがある。

                 

                私の場合は設定とかでわからへんことがあると娘に助けてもらうけど、

                お互いの投稿を見ることはない。

                このブログも、娘は母が時々自分をネタにして書いていることは知っているけれど、読んではいないと思う。

                 

                身内やからこそ、知らんでもいいこともあると思う。きっと、お互いに。

                 

                 

                娘がいなくて一人でも、

                トーストとコーヒーで朝ご飯食べるし、掃除して洗濯して、それから仕事するし、

                やってることは別段変わらへん。

                話し相手はいぃひんけどなぁ。

                 

                キリになるまで・・と仕事して、夜9時頃に「あかん、もう食べな!」と慌てて晩ご飯を作って食べる。

                この間木彫教室の生徒さんが言うてはった言葉を思い出す。

                「彫ってると他のことしたくなくなる」

                そう、夢中でやってるとすぐ時間経っちゃうんですよね〜。

                ずっと彫ってたいけど、「ご飯作らないと」とか「洗濯取り入れないと」とか、いろいろ段取りがあって、

                家族がいはるとどうしても自分の自由にならないこと、たくさんあると思う。

                私も娘が小さい頃はそうやったなぁ〜。

                大変でもあるけど、幸せな不自由でもあるのかも。

                 

                 

                今は、数日間の不在ならお互い連絡を取り合うこともなく・・

                今晩、娘は帰って来る。

                「お土産あるしな〜」って、夕方メールがきてた。

                母も仕事頑張ってたで。

                玄関のにゃんこランプ灯して、待ってるよ。

                 

                 

                 

                 

                 


                鋸挽く時間

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                    一昨日、昨日と木出しの作業が続いている。

                   

                  アクセサリーは端材で作る。

                  観音さまや阿弥陀さまになれる大きさの木を、アクセサリー用に細かく挽くことはない。

                  まず、仏さんの本体と台座、光背。次に1寸のお地蔵さんの木取り。

                  私がずっと彫り続けている1寸のお地蔵さんは厚みが6分(2センチ弱)必要。

                  和つなぎⓇネックレスなどに必要な厚みはその半分。

                  長さも厚みも限られた手持ちの材木で、優先順位を決めて木を選んでいく。

                   

                  割れが入っているものはそれを避けて、どこまでの深さで入っているかも見極めながらの作業。

                  何時間も鋸(ノコギリ)を挽く。

                  「機械で挽いたら一瞬なんやろうなぁ」と思うときもある。

                  そしたら挽いている時間を彫る時間にまわせるやんなぁ。

                  でも、大変やけどこの時間は嫌いやない。

                  なんか、木と話しているように感じる時間やから。

                  鋸も何本か使い分けながら、「目立てしなあかんよなぁ」とも思いながら。

                   

                  最近はホームセンターで替刃の鋸を売っているのをよく見かける。

                  切れなくなったら刃を取り替えてそれでおしまい?刃も使い捨て?

                  う〜ん、なんか私にはしっくりきぃひん。

                  ウチの鋸は父が使っていたもの。

                  手入れをしながら、長く、大切に使う・・私にとってはそれが当たり前。

                  便利や手軽が悪いとは思わへんけど、

                  なにもかもがスピードアップしていく世の中にはついていけへんなぁ。

                   

                  今日も家にこもって仕事。

                  人と話さず、

                  木や道具と話ながら。

                   

                   

                   


                  手を見て思う

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                    洗濯物を干していたら指先に引っかかる・・

                    「なんでやろう?」と見てみたら、人差し指の爪の際がパックリ切れていた。

                     

                    仕事場で掃除機かけるときに、刃物をたくさん移動させた。そのときに切ったんやろうか。

                    切れ味がいいから、ちょっと擦っただけでもスッパリ切れる。

                    でも、痛くなかったし、血も出ぇへんかったし、気がつかへんかった。

                     

                    私の右手親指と人差し指の指先は、皮が分厚くなっていて、ちょっとぐらい切っても出血しない。

                    左利きなので、道具は左手で持つ。

                    右手には彫っている木、小さいものやと親指と人差し指2本で挟んで持って固定する。

                    ぎゅっと力を込める。

                    白檀などの堅い木やと、尖った角が食い込んで痛いときもある。

                    木が小さすぎてどうしても指先に刃先が当たって、無数に細かい傷がつくときもある。

                     

                    そんな日々の繰り返しで、お風呂に長時間入っても、ふやけてシワにならへん指先を手に入れた。

                     

                     

                    職種によって、いろんな手があると思う。

                    日に焼けてたり、

                    いっぱいマメが出来てたり、

                    白くてスッと整ってたり・・

                    お仕事してる手って、みんなかっこいいと思う。

                     

                    自分の手を見るとき、

                    まったく同じ大きさやった父の手のひらを思い出す。

                    大きさは一緒やけど、あの手にはまだまだ遠い。

                     

                     

                     


                    初午の日に

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                       今日は初午。伏見のお稲荷さんへお詣りに。

                       

                      近年外国人観光客に人気・・とのことで、今日も観光の人とお詣りの人が入り乱れている。

                      記念撮影をしている観光の人たちをすり抜けるように、本殿に向かう。

                      ここ何年かお正月には外されている鈴も、今日は下がっていて普通にお詣り出来た。

                       

                      「志るしの杉」を納札所に納め、新しく授けてもらう。

                      今年のお多福さんは、ウィンクしてはるようなお顔やった。

                      一年家で過ごしていただく。手を合わせ、日々、頑張っていく。

                       

                      自分に気合いを入れる、初午の日のお詣り。

                       

                       

                       



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